昭和・北海道地図資料館

精密札幌市街図

昭和47年 塔文社

昭和47年といえば札幌市にとって記念すべき年である。昭和45年には人口が100万人を突破,46年地下鉄南北線開業,47年2月札幌オリンピック開催,同年4月に政令指定都市に移行した。表紙の写真はできたばかりの地下街であり,時代の勢いが伝わってくる。

 

1枚ものの地図で,表が1/18000の札幌市街地図,裏が1/100000の周辺地図。

また,「札幌市とその周辺の観光案内」という24ページの小冊子がついている。地下街に関する部分は設計説明書をそのまま転記したような感じである。当初の地下街には噴水や彫刻が置かれていたようだが,いまは撤去されている。

札幌の地下鉄には日本で最初の完全自動出改札システムが導入され,車輪にゴムタイヤを採用したのも画期的だった。


札幌市中心部1/10000
市電は前年にかなりの路線が廃止されたが,まだ薄野〜三越前間と一条通を走る路線は残っている。しかしこれらも翌昭和48年3月で廃止される。

北24条1/18000
地下鉄は北24条までで,その先は市電が残っていた。市電は昭和49年4月廃止。地下鉄が麻生まで延伸したのは昭和53年のこと。幌北車庫の跡にはサンプラザが建っている。
東札幌1/18000
このときはまだ千歳線が旧ルートを走っていた。昭和48年9月に新線となるが,東札幌駅はこの後貨物駅として昭和61年10月まで残った。東札幌駅跡には札幌コンベンションセンターが建っている。
澄川1/18000
開通したばかりの地下鉄南北線。澄川駅の周辺は現在と比べると非常に寂しい。このあたりは地下鉄が地上のシェルターの中をを走っている。


手稲付近1/100000
手稲山はまったく未開発に見えるが,札幌オリンピックの回転・大回転の競技場となり,道路も現在と変わらぬくらいに整備されていたはずである。手稲オリンピアも昭和40年に開業しているが,最近はあまりはやっていないようだ。
国道の南側の赤い道路は札樽自動車道。札樽自動車道は北海道最初の高速道路として昭和42年に着工され,オリンピックを目の前にした同46年12月4日に暫定2車線で開通した。なお道央自動車道の千歳IC〜北広島IC間も同時に開通している。


蟠渓付近1/100000
いまはなき胆振線の沿線には名湯がいくつかあった。いまも残っていれば汽車旅ブーム,温泉ブームの中で面白い存在になっていただろう。

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