北海観光節旅行記小さな旅行記 2003.7.5

フキ巡り その1

フキは地球を救う」・・・そんなことを考え出してもう10年になる。私にとってフキは人一倍思い入れの強い植物である。今年は音別で30年ぶりに蕗まつりが開催されるとのことで,これはぜひとも行かねばならないと思って出かけてみた。

復活 北のビーナス蕗まつり

 

本来6月29日に行われる予定だったが,雨で順延。1週間待ったかいがあって,この時期にしては珍しく青空が広がった。

音別は北海道でも最も地味な町だと思う。最盛期には人口10000以上いたが,いまは2800人であり,さらに過疎化が続いている。観光名所もなく,観光客入り込み数の統計を見ると冬期には「0人」の月が続く。音別の冬とて物好きな観光客が何人かは訪れるだろうし,これはあまりにも自虐的な統計ではないか思うのだが,しかし実際音別ほど何もない町というのも珍しい。

「北のビーナス」とは地図上で音別町がビーナスの形をしていることに由来する。1年前に「北のビーナス発見隊」結成,今年5月におんべつ振興協会が設立され今回のイベントに至った。主催者挨拶では両団体の代表の挨拶があり,町長は来賓挨拶にまわっていた。民間主導でこれだけのイベントができるとは,音別もなかなか活気のある町だ。


会場全景。思ったよりも人出は少なかった。


会場内にはフキの群落が点在していた。

千人鍋

 
11時20分から千人鍋の無料提供。


本日限定「蕗アイス」。今回のイベントのために開発されたもの。ほかに「蕗パン」もあったようだが,はじまりから20分で売り切れたとのこと。

ちなみに自転車に乗ってバイクに乗っている人はレポーターで,ステージ上の司会者に振られると会場内を自転車では走り回って中継していた。司会の2人も自転車の人もなかなかしゃべりがうまかったが,この人たちは音別の人なのだろうか。だとしたら音別はすごい町だ。

フキの試験栽培地


まつりに来ている人たちの中にも,ひたすら焼きそばや焼き鳥を食べている人もいれば,このフキの見本園を熱心に見入るいかにも山菜好きそうなおじさんなど,いろいろな人がいる。

秋田ブキ 国後ブキ 京ブキ 名称不詳
山野に自生するフキの学名。 北方領土から持ち帰り育てたとされる。 北海道開拓時代本州から持ってきたとされる。 雪が解けると,タンポポの様な黄色の花が1ヶ月位咲いている。観賞用フキ。


ツアブキ〜「平成14年度ホーマックで購入」・・・説明になっていない。

蕗パビリオン


蕗まつり博物館として,昭和37年から47年まで実施されていた往年の蕗まつりの写真を展示していた。


幻のふき人形。これはお宝ですぞ。もう20年以上前に製造されたもの。目立たない場所で1個100円で売っていた。「商売じゃないから」と言っていたが,もっと目立つ場所でうまいこと宣伝すれば1個1000円でもみんな買うと思う。富貴紙のレターセットを買うと1個サービスしますよとのことで,結局100円で2つもらってしまったのだが,人が良すぎる。今度ガラスケースを買ってきて部屋に飾ろう。

フキフキチャンピオン(早食い大会)

子供の部

 
小学1年生から6年生までの参加者により競われたが,大方の予想通り,右から2番目の大柄な6年生の圧勝。メニューは「蕗アイス」→「蕗汁」→「ラムネ」。最後はステージの蕗を取ってゴール。

大人の部


「ビールorコーラ」→「蕗アイス」→「山菜ご飯」→「蕗汁」。比較的健康的なメニューである。

管内郷土芸能発表会

今日いちばんの楽しみはこれである。しかしながら日程が変更になったため標茶町の標茶音頭,弟子屈町の弟子屈音頭・阿波節,釧路町昆布森のたこ踊りは中止となった。残念。かろうじて参加にこぎつけた白糠町も漁協の研修旅行と重なったとかでかなり人数を縮小したとのこと。祭りの日程が変更になってしかも土曜日となれば,みんななかなか都合がつかないのだろう。


隣町白糠の駒踊り音頭。いい!


同じく白糠町の駒ディスコ。これ最悪。駒ディスコという名前が悪い。踊りも足を蹴り上げたり品がない。小学生か幼稚園児ならまだかわいいが,踊っているのは駒踊り音頭を踊っていたおばさん達と同年代か,下手したらそれより上の人たちである。衣装も悪い。黒のはっぴに赤い靴。中高生のチンピラと同レベルである。おばさんだってきれいな着物で笠かぶってきちんと踊ればそれなりによく見えるのに,なぜあえてこういう柄の悪いことをやるのか。


続いて音別郷土芸能保存会による蕗まつり音頭。これは最高。歌も踊りもいい。写真では動きがばらばらの様に見えるが,実際それぞれ違った動きをしているのである。静あり動あり,それでありながらピシッと揃っており,そうとう稽古を積んでいると思われる。

こんな踊りは初めて見た。日本にもこんな素晴らしい踊りがあったのかという驚きと,そんな踊りが音別にあったということの二重の驚きである。動画で撮れなかったのが惜しまれる。今度踊るのは10月だというが,それまで待ちきれない。蕗まつり音頭のDVDとか売ってないだろうか。

往年の蕗まつり音頭。このころは尺別炭鉱も健在で,いまとは比べ物にならない賑わいがあったことだろう。会場は霧里だった。


同じく音別郷土芸能保存会が,今度は笠を取って「ディスイズ音別よいところ」を踊る。1995年に音別80周年を記念して制作されたもの。作詞は荒木とよひさ。現代風でありながら,音頭と踊りの基本はしっかりと押さえられており,好感が持てた。

この後,北野志保理ライブ,砂浜宝探し,蕗まつり千人おどりがあるが,今日はまだ先があるのでここで会場を後にする。

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