北海道観光大全旅行記小さな旅行記 2004.6.6

運動会の旅2004 その1

昨年の運動会の旅をまだ見ていない方は,まずそちらから見てほしい。

今年もそろそろ運動会の季節である。しかし,釧路市内ではまだ桜が散ったばかりで,運動会の練習の音も聞こえてこず,まだまだ先のことと思っていた。朝,「運動会が行われていない」ことを確認するためにコンビニで釧路新聞を購入したところ,厚岸,浜中方面は今日が運動会の集中日だった。

それが9時ごろのこと。これから出かけても中途半端になるし,デジカメの電池も充電していないし,今日はやっぱり行けないと思った。しかし,カメラがないから行かないというのも変な話。外の青空を見て,今日行かなかったら一生後悔すると思い,9時20分,着の身着のまま,免許証と財布だけ持って出発した。

運動会というのは小さな部落にとっては初詣でと盆踊りを除けば,地域全員が集まる年に一度の日である。これは人がたくさんいるのが当たり前という都会の人にはわからない感覚かもしれないが,道を歩いても人にすれ違うことがめったにないような地域では,人が集まるということは何物にも代えがたい喜びである。過疎化は進む一方だが,運動会の日だけは地域全員が集まり,まだこんなに人が残っていたのだと確認し合うことができる。しかしその賑わいも風前のともしび。毎年1つ,2つと学校がなくなっていき,今年の賑わいがまた来年見られるとは限らない。

なお今回の旅行記の写真は「写ルンです」で撮影したものである。

上尾幌小中学校 合同運動会

児童5名(H15.5) へき地1級

 

10時5分到着。あれ,これは本当に運動会なのだろうかと疑ってしまった。わたしも小さな学校の運動会は数多く見ているが,これほど寂しい運動会は見たことがない。運動会であればあるべきもの,例えばグランドの上空を横断する世界の国旗や,紅白の得点表がないのだ。スピーカーから行進曲が流れているというようなこともなく,会場は静まりかえっていた。

写真は借り物&障害物競走。児童は5人か6人で全校児童が参加したとしても1つ1つの競技がすぐに終わる。種目が多すぎて覚えきれないのか,練習が足りないのかわからないが,競技が始まる前に先生が競技方法を一から説明していた。

観客席がすべて椅子席という運動会も初めて見た。観客のほとんどがお年寄りなのだ。


高知小中学校 連合運動会

児童10名(H15.5) へき地3級

同じく厚岸町の学校だが,上尾幌から約40kmも離れている。厚岸でもいちばん外れで,農家は浜中の農協に入っている。

上尾幌に比べるとかなり活気がある。この学校はまだまだ大丈夫そうだ。

 

ここも借り物競争をやっていた。運動会のテーマは「粉骨砕身〜隗より初めよ〜」。ずいぶん高尚な文句だ。


ここから浜中町に入る。浜中町は12校の小学校があり,北海道の町村では音更町,美瑛町に次いで小学校の多い町である(平成15年度)。しかし,一昨年奔幌戸小,昨年円朱別小が閉校,今後も統廃合が相次ぐと見られる。

今日は町内7つの小学校で運動会が開催される。新聞によれば茶内第一小学校も今日が運動会とのことだったが,実施されていなかった。

茶内小学校 第77回大運動会

児童83名(H15.5) へき地2級

茶内は霧多布と並ぶ浜中町の市街地である。霧多布が漁業集落の中心地とすれば茶内は酪農地帯の中心地で,役場も農務関係は茶内に庁舎がある。

さすがに学校も大きく「普通の運動会」に見える。全校児童80名というのは一般常識からすれば小さな学校だが,児童数名の学校ばかり見ているとマンモス校に思えてしまう。

テーマは「75人全員がベストをつくしたと言える運動会にしよう」というありふれた文句。

学校が大きいので競技も凝っている。


まずグランドの両側から2手に分かれてスタート。


肥料の袋を足の下に敷いて進む。難しそうだ。


両側からスタートした者が中央でペアを組み,一人がテコの上にボールを置いてはね上げ,相方がバケツで受ける。うまいペアは一発で入るが,下手なペアは何度やっても入らない。


二人三脚でゴール。


散布小中学校・保育所・地域 大運動会

児童45名(H15.5) へき地2級

町内で3番目に大きな学校。今日はこの学校がいちばん活気を感じた。小学校のテーマは「運動会最高に楽しもう〜練習のせいかをはっきし,走りぬけ」,中学校は「Perfect Combustion〜果てなき挑戦」。

漁村だけあって,グランドの上には国旗ではなく大漁旗がかけられている。

それと特徴的なのはブルーシートで観客席が囲われていること。釧路の人は運動会の日の朝,晴れているとがっかりしたという。釧路ではこの季節,朝晴れると必ずといっていいほど昼から天気が崩れる。これを「朝でっかり」と言うそうだ。さっきまで青かった空にどこからともなく白いものが覆い始め,雨ではないのに服がべしゃべしゃになる。これを「じり」と言うそうだ。青テントはその対策だろう。


児童は神社の下で待機。


記録係は中学生の仕事。アナウンスも中学生がやっていた。


出店もあった。

 
プログラム18番。中学校1年生による「こいで,まきとって,借りて,集まって,入れて,みんなでゴール! 略して…一年生の暴走は止まらないっ!」

誰が考えたのか,かなり凝った競技で,借り物(人)は「最近便秘ぎみの人」とか「散布の平和を守っている人」とかユニークなものだった。


プログラム19番,一般による「出漁準備O.K!!」

藻散布,丸山散布,火・養老散布,渡散布の各地区と教員チームによる団体戦で,リーダーに漁師の服を着せる速さを競うもの。当然教員チームがダントツのゲレッパ。最後の仕上げとして,大漁旗を持たせ,タバコを吸わせるのだが,漁師さんはタバコを吸うのが当たり前ということだろうか。このご時勢,都会の学校では考えられない演出だ。


午前の部の最後,小学生全員による遊戯「ボン・ボヤージ」。人数を数えると40人だった。12時10分昼休みに。

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