北海観光節小さな旅行記ラベンダーイーストと裏富良野

東山

国道38号線に合流。

 

「やなぎ」という集落。5軒の民家が身を寄せ合うようにして並んでいる。いかにも山村らしい風景だ。

東山市街

 

東山は昭和15年から同31年まで独立した村だった。普段通過するだけでなかなかじっくり見る機会のない場所だが,今日は少し市街地を歩いてみたい。

  

かなり寂れてはいるが,Aコープが元気に営業しているというのは,今の時代希少なことである。

東京大学北海道演習林東山作業所

東山村の東は東京大学の東である。明治時代,帝国大学は原木の売却代や小作料を大学の財源とするため,北海道の未開地に大面積の農場や演習林を所有した。東大演習林は明治32年に設置。面積は23000haで,東京の山手線の内側の約3倍の面積という広大な森である。林内には山部,東山,麓郷に事務所が置かれ,それぞれ演習林の拠点として集落が発達した。特に,旧東山村は村民の大多数が演習林の林内入植者で,東大とは地主と小作人の関係にあったため,村の名前も東大からとったのである。

東山16:56発→老節布17:12着 富良野バス老節布線 老節布行き

主に高校生の通学に利用されている路線で,比較的利用者は多い。東山のバス停では3名が下車した。

 

東山市街を過ぎたところに樹海中学校がある。中学3年の時の中体連地区大会の会場がここだった。昭和20年代〜30年代に祖父が運送業をやっていたときに,この辺にも運材の仕事でよく来たようで,名前の入ったジャージを着ていると,用務員のお爺さんが,昔祖父と山仕事をしたのだといって思い出話を聞かせてくれた。

東山村は草木の名称が地名になっている。これは昭和15年の分村の際に,各区の農事組合に草木の名称が与えられたもので,次のような分類になっている。

東山地区は落葉樹名……やなぎ,ならのき,あかしや,しらかば,かつら,かえで,さくら
西達布地区は灌木・草木名……やまゆり,おもと,しらはぎ,たちばな,すみれ,つつじ,あやめ
老節布地区は針葉樹名……いちい,とどまつ,あかまつ,くろまつ,からまつ

西達布市街通過。

 

東山地区に小学校はなく,西達布に樹海東小学校,老節布に樹海西小学校があったが,平成18年度を持って両校閉校。もとの樹海西小学校に樹海小学校が新設される形となった。

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