北海観光節小さな旅行記鵡川源流を訪ねて

鵡川源流を訪ねて その2

ワークショップ1 「鵡川源流の森を歩く」

占冠村観光パンフレットより

一級河川鵡川水系は全国に109,北海道に13ある一級水系の一つで,その本流鵡川は国内有数の清流として知られている。流域内人口は約13,000人と,全国の一級水系の中で最も少なく,途中山岳地帯を貫くことから,上流と下流の町を結ぶ交通路はいまだ十分に整備されていない。そのため,占冠村は開拓が始まると間もなく分水嶺を越えた上川支庁に編入され,下流の町とは長らく深い関わりを持ってこなかった。

しかし,平成19年3月に流域の町村で鵡川・ピリカ・プロジェクトが組織され,流域が一体となった美しい川づくりの取り組みが始まった。占冠村でも本流にダムがないという特長を生かして,源流から河口まで135kmを人力でたどるエコツアーを修学旅行生向けに実施するなど,鵡川を地域の資源として活用する取り組みがこの2,3年で盛んになっている。

まずは村のバスで,上トマム市街から1キロメートルあまり上流へ遡る。鵡川源流部へは直前までバスで到達可能だが,川がだんだん細くなっていくのを見ながら歩こうという趣旨である。

 

岩手橋にて下車。名のとおり,一帯は岩手団体の入植地だが,今は森に還りつつある。ここで標高約590メートル。

ここから源流部まで約2km,さわやかな林道を歩く。

 

秋のフキノトウ,オオウバユリの実など,先人が食料にした植物だと説明を聞く。

 

造林作業の状況については,役場の方が詳しく説明してくださった。

エゾマツとトドマツの違いは何度聞いてもこんがらがってしまう。右手の枝が上向きなのがトドマツ,左がエゾマツ。

 

時節柄,キノコも多く見られた。

帰りのために,バスが林道のゲートまで先乗りして待っていてくれた。

ゲートから約300メートルで鵡川源流に到着。標高約700メートル。鵡川ピリカプロジェクト座長の小坂氏から,「鵡川源流」の標柱を立てた経緯などについてお話を聞いた。

各自持参したコップで源流の水を飲む。

 

川の本当の源流を見たのは私も初めてで感動したが,源流というのはだいたい水が自然湧出しているそうだ。村内にはこのような源流の湧き水が何か所も発見されているという。

この先にししゃもの漁師さん達が植林した森があるというので,さらに林道を進む。

 

やがて林道はなだらかな峠を越えて下りに差し掛かり,鵡川源流から1キロメートル歩いたところで,小盆地状の明るい場所に出た。ここは奥トマムといって,かつては小集落があったという。

鵡川漁業協同組合と占冠の森林人林業グループ,上川南部森林管理所による植林地。その奥にはいつでもだれでも山づくりができる「パブリックの森」があり,毎年いろいろな団体が植林を行っているようだった。

しかし,後で知ったことだが,ここに降った雨は,かなりの量が双珠別ダムを経て沙流川へ流れてゆくのである。

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