北海観光節小さな旅行記旭川〜占冠・初夏のイベント巡り

旭川〜占冠・初夏のイベント巡り その5

北落合小学校前9:40発→福祉センター10:11着 南富良野町営バス 上り3便

北落合で6分の待ち合わせののち,同じバスで幾寅に折り返す。

 

北落合から落合にかけては,ラフティングのメッカでもある。

落合ルーマという印象的な名前のバス停があった。ルーマというのは落合発祥の地であるという。シーソラプチ川とルーオマンソラプチ川という2つの川が合流するので落合と名が付いたが,ルーオマンとルーマは恐らく語源が同じで,道あるところという意味である。国道の落合橋の西側が市街,東側がルーマと古くから呼ばれてきた。

再び落合駅。背後の山の新緑が素晴らしい。

落合からは,80歳は過ぎていると思われるおじいさんが乗ってきた。運転者さんとの町政談義はなかなかに勉強になるものだった。

曰く,「同じ町内であっても,集落ごとに地勢というものがある。例えば,下金山は農業一辺倒,落合は年金暮らしばかり。役場はそういうものを見ておらん」

なるほどと思った。これは役場の認識の問題もいくらかあるだろうが,いまの日本の仕組みが全部市町村単位で回っていることにより大きな問題があると思う。統計資料でもなんでも,市町村単位のものしかなく,一次産業人口が数%にまで減少した現在,市町村単位ではいくら分析したところで都市部と田舎の大きな違いは出てこないのだ。地方を真剣に考えようとするならば,市町村単位ではなく,少なくとも集落単位で見ていく必要があると思う。

「今日は麺サミットがあるから市街は混んでいるかもしれないよ」と運転手さんが言うと,

「その割には,バスに乗っていないな」と言って,車内を見渡したおじいさんがおかしかった。

乗客は3人だった。20,30年前であれば,北落合やら落合から,家族連れがバスに乗り込んで来るというのどかな風景も見られたかもしれないが,それも今は昔だ。

町政談義は町営バスの行く末にも及んだ。南富良野の町営バスは運行が民間に委託されており,町直営時代より格段に利便性が上がったのだが,これも過渡的な運行形態だろうという。高齢化がさらに進めば,バス停まで歩いて出てくることさえ困難になるので,ドアからドアへの輸送が必須になるだろうとのこと。既にオンデマンド型のバス運行は,富良野市や占冠村で始まっている。しかし,観光客の立場でいえば,事実上バス路線の廃止になってしまうわけで,寂しいことではある。

南富良野の役場所在地,幾寅市街に到着。運転手さんが混んでいるかもしれないといった福祉センターの臨時駐車場には,車が一台も停まっておらず,拍子抜けしていた運転手さんとおじいさんがまた面白かった。

到着した時にはちょうど開会式を行っていた。上川管内の麺処が連携して開催している麺サミットは,平成20年に上川町で初めて開催され,第5回の今年は南富良野町が会場となった。

会場は道の駅南ふらの裏の特設会場。

麺の販売は10時20分からということで先に物産コーナーを巡った。

最近,夜食に蕎麦がきをときどき食べるので,幌加内町のブースでそば粉を買った。そば粉は3種類あったが,「蕎麦がきにするにはどれが良いですか」と聞くと,すすめられたのは「ほろみのり」という品種のそば粉だった。蕎麦がきと言ってすぐにおすすめが出てきたのは,さすが蕎麦の町だと思ったが,最近になって私も蕎麦がきを知った。そば粉にお湯を入れてかき回すだけの簡単なものであるが,下手なおやつよりもずっとおいしい。どうしてもっと一般的にならないのかと思う。

麺を食べるため,食券を購入した。1000円で2種類の麺を試すことができる。

出店していたのは,なんぷ十割そば,美瑛カレーうどん研究会,上川ラーメン日本一の会,しもかわ手延麺&創作料理「みなみ」,愛別そば祭り実行委員会,TEAMとかちRa〜麺's,幌加内手打ちそば店,山部まちおこしネットワーク。

このうち,際立って長い行列ができていたのは,TEAMとかちRa〜麺's。英語交じりのやくざな名前に人が群がることに世の末を感じた。

まずは地元ということで,誰も並んでいなかった,なんぷ十割そばを頼んでみた。

朝食は毎日十割そばを食べている。なるべく手軽に無添加のものをといろいろ試して行きついたのが,十割そばである。最初,そばつゆをどうしようかと思ったのだが,そばつゆがなくても,そばだけで十分においしく食べられるのが十割そばだということがわかった。

で,この十割そばであるが,つゆがしょっぱすぎた。風味も甘みもしょっぱさで全部消されてしまっている。これでは,十割そばである値がなく,せっかくの十割そばがもったいないと思った。

 

もう一つ試してみたのは,山部まちおこしネットワークのラーメン。

まさかラーメンに入っているとは思わなかった,嫌いなものが入っていた。見るのも嫌なので抜いてもらうようにお願いしたところ,親切にも最初から作り直してくれた。私が手を付けられなかったラーメンは,運よく近くの人がもらってくれた。

ここも,店頭にラーメンの説明があるわけでなく,何が売りなのかよくわからなかった。

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