北海観光節小さな旅行記雲海・ガーデンショー・ドライブインの旅

雲海・ガーデンショー・ドライブインの旅

2012年6月15日(金)〜6月16日(土)

札幌からトマムへ

札幌19:45発→トマム21:20着 スーパーおおぞら13号

 

今年こそはトマムの雲海を見に行こうと思っていた。もともと16日の土曜日は十勝千年の森で開催されている北海道ガーデンショーを見に行く予定だったが,金曜の夕方に札幌で用事が入ったので,急遽トマムのホテルを予約し,雲海を見に行くことにした。

スーパーおおぞら13号は6両連結が所定の編成だったが,昨年の第1ニニウトンネル内脱線炎上事故の影響で,今日はグリーン車なしの5両編成だった。恒常的な増結で8両,9両編成が当たり前だったスーパーおおぞらが5両とは,寂しさを感じざるを得ない。

先頭車両に乗車したが,いちばん前の左右4席ずつがカーテンで仕切られていた。何か見られてはいけないものを輸送しているのだろうかと不気味に感じたが,実は車内販売の準備スペースだった。グリーン車が連結されていないので,普通車の一部座席をつぶして車販の準備スペースとしたのだ。

乗り心地が悪いという意見が寄せられていることを理由とした減速運転の影響で,数分遅れてトマム駅に到着した。

トマムに到着する列車は,このあとまだ上下各1本ある。それほど遅い時間ではないので,迎えのバスがあるかと思ったが,来ていなかった。ほかに列車から降りた客もいなかった。

プラットルーム(Platform room)内の電話で連絡すれば迎えに来てくれると掲示があったが,歩いてもたいしたことはないので,徒歩で向かうことにした。

リゾートの入り口があまりにも暗いので驚いた。これから車でチェックインという人もいるだろうが,初めての人は戸惑うのではないだろうか。

鳥の声がすごかった。最初,スピーカーで流しているのかと思ったが,駅からしばらく歩いても声が遠くならないので,ようやく本物だとわかった。朝方のさわやかな声とは違って,夜の鳥の声は何か生々しいものがあった。

月は出ておらず道は真っ暗だ。こんなに暗い中を歩いたのはしばらく記憶がない。ある程度勝手を知った道なので,すり足で路面を確認しながら前進したが,昔ニニウから映画を見に行くのに,走って鬼峠を往復したという話を思い出した。闇の峠道をどうやって越えたものだろう。あるいは月夜を選んで出かけたものか,今度聞いてみたい。

リゾート内に入ると,数人の客を乗せたエリア内循環バスと幾度かすれ違った。ミナミナビーチ(旧VIZスパハウス)内の木林の湯は23時まで営業しているので,この時間でも利用者がいるのだろう。

20分ほど歩いてホテルに着いた。

ロビーには宿泊客の姿も多くあり,ほっとした。

まずはフロントでチェックインした。一般の個人客としてトマムに宿泊するのは初めてである。フロントの人も心得ており,雲海テラスの情報など詳しく教えてくれた。

 

明朝の雲海発生確率は70%とかなり高い。今朝はきれいな雲海が見られたようである。雲海テラスの営業は6月1日から10月9日まで。シーズンを通じての雲海の発生確率は3割程度だという。

売店は22時まで営業しており,ぎりぎり閉店に間に合った。

宿泊は「ザ・タワースタンダードツイン お食事なし&レイトイン」というプランで,1人利用でも4,800円と非常に安い。ただ,これから夏の繁忙期になると徐々に料金は高くなる。

「とまたつ」の第6号はちょうど今日発行されたばかりだった。B4版8ページのカラー刷りで,今シーズンの情報満載である。アルファ時代末期の1994年から加森時代にかけて発行されていたフリーペーパー「苫鵡の達人」はしばらく休刊していたが,昨年「とまたつ」として蘇った。苫鵡の達人時代とは会社も編集チームも変わったが,その精神はかなり引き継がれているように思われる。

2012年6月16日(土)

4時15分起床。さあどうだろうかと思ってカーテンをめくってみると,窓から既に雲海が見えていた。

部屋のテレビをつけると,雲海の状況が流れていた。「現在,一部に雲海が発生しております」とのこと。

バスは4時45分が始発。急いで身支度をし,ロビーに向かうと,既にバスの乗車待ちの列ができていた。雲海テラスは8時30分まで営業しているのだが,みな活動の開始が早い。

さすがに開業当初からのリムジンバスは最近見かけなくなり,どこかの路線バスのお下がりが使用されている。少なくとも外観はすべてが一流にこだわったトマムリゾートの施設群にあって,このバスは唯一浮いた存在に感じられ,もう少し何とかならないものかと思う。

5分ほどで,雲海テラス行きゴンドラ乗り場の「リゾートセンター」に到着した。バスを降りると,ここがどこなのか,立ち位置を確認する間もなくゴンドラ乗り場の建物の中へと吸い込まれていく。

ゴンドラの券を持っていなかったので,どこで券を買えるのか不安に思いながら列に並んでいたが,ほとんどの人が同じように券を持っておらず,乗り場に至る途中で問題なく買うことができた。往復大人1800円,子供1200円である。

トマムの雲海には「放射霧型(トマム産,日高産)」「太平洋型(移流霧)」「悪天候型」の3つのタイプがあるという。これらは北大のEPoCH(環境プロジェクトコーディネータープログラム)との連携で明らかにされてきたことである。2010年に初めて実施した「雲の学校」をきっかけに,星野リゾートトマムでは北海道大学大学院環境科学院との連携協定を結んでおり,今年も夏休み期間中は小学校中高学年を対象にした「雲海サマースクール」が連日開催されることになっている。

今日の日の出時刻は3時47分と早く,既に陽は高い。山頂の気温も12℃と意外と暖かい。

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