さて,いよいよ東京ともお別れである。次はいつ来れるかわからないが,今回は東京で見るべきものをしっかり見れたような気がする。悔いが残るのは,高校以来の悲願である銀座の伊東屋に行けなかったことぐらいだ。
東京で1泊して翌日飛行機に乗ってもよいのだが,どちらにしろ仕事は1日休まなければならないので,釧路まで列車で帰ることにする。
東京発釧路湿原行の切符。いかにも現実逃避できそうな切符だが,私にとっては現実世界へ戻る切符である。
上野駅に停車中の青森行寝台特急はくつる。寝台列車に乗るのは高校の修学旅行以来2度目である。まさに「上野発の夜行列車」だが,ホームに人影は少なく,寂しい旅立ち。
塗装が衝撃を受けるほどぼろぼろだった。
高校のときに乗った「ゆうづる」は3段式寝台だったが,2段式寝台はずいぶん広い。寝台は満席に近かった。別に旅人同士話をするわけでもなく,それぞれすぐにカーテンを閉めて寝に入る。
感動的な朝日。夜行列車ならではの体験だ。思い起こせば高校の修学旅行のとき,青森からゆうづるに乗り,初めて走る本州の鉄路。過ぎ行く街の光一つ一つに感動をし,上野までほとんど眠れずに着いてしまった。そして,寝不足でボーっとしてしまった頭で,自主研修の途中とんでもない大失敗を犯してしまったのである。それからしばらく,東京は思い出したくもないところだったが,時間というのはありがたいもので,今はもう何でもなくなった。
盛岡到着。