東京旅行記

花輪線の旅

釧路まで汽車で帰るにしても,いろいろ経路が考えられる。経路としては「はくつる」よりも,上越線・羽越線・奥羽線経由の「あけぼの」のほうが面白そうだし,この日は特別に「夢空間北斗星ニセコ号」も運行されており,魅力を感じた。
しかし,列車に乗りっぱなしで北海道に着いてしまうというのは,飛行機と同じでどうももったい。それで,はくつるを盛岡で降りて,短い時間で精一杯東北を楽しむことにしたのである。


盛岡5時42分発の大館行き普通列車。


朝日に映える岩手山。霧に煙る大更駅。花輪線は景色が素晴らしい。


大滝温泉駅で下車。「日本最古の秘湯」とはいかに。


駅前は情緒あるように見えるが,窓口は閉鎖されている。花輪線も自動閉塞化によって駅の無人化が進んでいる。前回訪問したときにはまだまだ駅務室に明かりがついていたのだが。


大滝温泉街。小さな旅館はまだ何とか頑張っているようだが,大きな温泉旅館はことごとく倒産しており,寂れ方はすさまじかった。

 
湯夢湯夢の湯。温泉街とは少し離れたところにあり,たどり着くのにずいぶん苦労した。まっすぐ歩けば駅から5分くらいだ。
「湯夢湯夢の湯」という派手な名前の割には簡素な温泉で,お湯は本物のようだ。北海道だったら,ジャグジーや寝湯やサウナなどこしらえて,源泉を殺してしまっているところが多いが,東北には新しい公共温泉でもこういう簡素な施設が多い。


また汽車に乗って大館に向かう。


大館は秋田犬と比内鶏のふるさと。


キヨスクで名物駅弁の鶏めしを買う。学生時代にも何度か大館に来たが,買ったことはなかった。今は社会人になったので。


大館から特急日本海3号に立席で乗る。
立席とはいっても,寝台の空いている場所に座ることができる。立席の乗客のために秋田で車内清掃が入って,きれいな状態で来るのかと思ったが,そうではなく,寝台の客も立席の客もごちゃごちゃになって乗るのだった。起きてそのままのシーツがぐちゃぐちゃなところに座らせてもらうのである。
こういう列車にいつも乗らなければならない青森や弘前の人がかわいそうだ。


水田は刈り取りの時期で,日本的な風景が見られた。北海道の水田とは違う風景だ。弘前のあたりではりんごも色づきはじめていた。

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