江別観光記

世田谷

世田谷

江別に世田谷という地区がある。昭和20年3月に東京が大空襲を受けたあと,戦災者,疎開者を北海道に集団帰農させるという政策がとられ,江別の角山地区には東京の世田谷区から36戸が入植したところである。入植した彼らのことを拓北農兵隊と呼んでおり,北海道の歴史の本には必ず登場する。

北の世田谷美術館

北海道では「気ままにいい旅」という雑誌が発売されている。「じゃらん」の別冊という扱いだが,「じゃらん」が20代後半から30代前半の女性をターゲットにしているのに対して,「気ままにいい旅」は40代後半から50代後半の女性を対象にしている。だからこの雑誌に手を出してはいけないと思ってまだ買ったことはないが,今年の春号に「小さな美術館めぐりの旅」という特集があって,北の世田谷美術館か紹介されていた。みどり★★さんもその記事を見たというので,行ってみることにした。

館主の山形トムさんからは1時間にわたってお話を聞くことができた。よくある新規移住者のギャラリーかと思ったがそうではなく,世田谷から拓北農兵隊として入植したのだそうだ。脱落者が続出する中,拓北農兵隊の生き残りとして現地に住んでいるだけでも貴重だし,役者志望の夢を今になってかなえたという生きざまにも感銘を受けた。絵を見るだけではなく,山形さんのお話を聞いてこそ値のある美術館である。
それにしても,お仕事のお邪魔をして1時間も話をしてもらい,お茶までいただいて,1円も払わないで出てきたのは後味が悪かった。難しいものだ。お礼の手紙でも書いたほうがいいだろうか。


世田谷風景。廃屋が目立つ。昭和20年まで放置されてきた土地だから条件は相当悪かったはず。農業経験のない東京の人がこんな泥炭地を開墾しようとするのも無理な話。足寄か幌延の山奥のような,札幌近郊とは思えない風景だった。

江別古墳群

江別はまた古代文化のるつぼである。市内には旧石器文化を除く先史文化のほとんどすべての痕跡が残されており,江別式土器など独自の文化も生んでいる。北海道式古墳の遺跡も江別にあって国の史跡に指定されている。


写真ではわかりずらいが,8〜9世紀における本州との交流を示す貴重な遺跡である。

江別西インター

数年前に北海道新聞で「鬼門」のインターチェンジと紹介された。アクセス道路が整備されておらず,厚別方面から標識に従って進むと非常に遠回りをさせられる。

大麻中央公園

自然が豊かな公園。江別の中では結構有名らしい。

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