青函旅行記

竜飛(二)


小泊方面を望む。逆光のため写りが悪いが,私はこちら側の景色のほうが好きだ。

私は「いままで旅行した中でいちばん良かったところは?」と聞かれたら,恐山と竜飛岬だと答える。竜飛岬は日本最北端でも本州最北端でもないが,最も北の果てを感じるところである。その到達感は宗谷岬,納沙布岬,大間岬の比ではない。日本海へ連なる竜泊ラインはいつか通ってみたい。

碑の丘

岬の一角に記念碑が集まっている丘がある。

吉田松陰碑 大町桂月文学碑
佐藤佐太郎碑 川上三太郎碑

階段国道


竜飛岬と竜飛の集落をつなぐ歩道は国道339号に指定されており,全国唯一の階段国道である。この国道の上と下ではまったく世界が違っていて,上は観光客が群がる非日常的世界であるのに対し,下には漁家の極めて日常的な生活がある。

高低差約70メートル,361段という険しい道のり。 この道も国道。風が強いので非常に狭い通りに正面を向けて家が建っている。 漁港側の階段国道入口。

ただ,いちおう国道ではあるのだが,見ず知らずの人が自分の家の軒先をぶらつくことを,ここの人たちはあまりよく思っていないと思う。もともと階段国道は役人が現地を見ずに指定してしまったため,こんなことになったのだというが,地元の人たちは正直迷惑しているのではないだろうか。


竜飛漁港

青函トンネル記念館


左から東北電力の竜飛ウィンドパーク青函トンネル記念館竜飛斜坑記念館駅。青函トンネル記念館は「道の駅みんまや」にも指定されている。屋外にはトンネル工事に使われた機械の展示スペースもある。


記念館内部。展示室は実物大の青函トンネルを模しており,ビジュアルな展示になっている。北海道側の福島町にも記念館があって,そちらのほうが展示内容は良かったのだが,入場者減のためこの10月で閉鎖されてしまった。

再びケーブルカーで海底駅に降りる。


ケーブルカーの乗車証明書


体験坑道展示場。地上での時間を最大限に取るためか,トンネル内の展示施設はほとんど素通りだった。もう少しゆっくり見学する時間をとってほしい。


1日2往復しか停まらない竜飛海底駅の時刻表。停まる列車の少なさではJR北海道でもベスト10に入るだろうか。


ここで小休止。世界で2番目?に深いところにある公衆電話や記念メダル製造機,オレンジカードの販売コーナーがある。


俳句ボード。半永久的に保存されるという宣伝文句で1枚何万円かで募集していた。(まだだいぶん空きスペースがあったが今も募集しているのだろうか) 快速海峡廃止で海底駅がどうなるのか心配されたが,このメモリアルボードを見る客のために特急を海底駅に停車させることにしたらしい。竜飛海底駅の見学コースは11月11日からいったん冬休みに入るが,来年はまた従来どおりに見学できるようだ。


12時25分,青森行き海峡4号到着。


車掌さんがさよならはつかり・海峡のオレンジ−カードを売りにきた。2枚1組2000円。今乗っている海峡4号が私にとって最後の海峡乗車になるだろう。中学校の修学旅行以来何度もお世話になった海峡号,ありがとうございました。

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