青函旅行記

青函フェリー

青森駅西口からフェリーターミナルまでは歩いて20分〜25分ほど。学生時代からもう10回も歩いた道のりで,今回は1年半ぶりに歩く。社会人になってからこんな旅ができるとは思っていなかった。

見上げると星空がきれいだった。ここを歩くのは毎回早朝か深夜の暗い時間だが,星空の美しさに気づくのは初めてだ。しかしよく見ると街灯が消えていだ。そういえば以前は道路がもっと明るかったはずだ。省エネルギーのために必要のない街灯は消しているということだろうか。


青森フェリーターミナル

青森2:00→函館5:50 青函フェリー 1便

青函航路は2000年10月から青函フェリーと道南自動車フェリーが一般客を扱うようになり,現在3社で運行されている。あわせて21往復というたいへん便利なダイヤになっている。私は東日本フェリーしか乗ったことがないので,今回は青函フェリーに乗ることにする。

東日本フェリー道南自動車フェリーの窓口 向かい側は青函フェリーの窓口

窓口で申し込もうとしたところ,「うちの船はレストランや売店がありませんがよろしいですか?」「部屋は狭いですがよろしいですか?」とずいぶん低姿勢で確認されたが,ぜひとも青函フェリーに乗ってみたかったので迷わず申し込んだ。

青函フェリーは立派なホームページを持っている。パンフレットにしても東日本フェリーよりもずっと魅力的である。そんなこともあって一度乗ってみたかったのだ。


乗船指示書

東日本フェリー 青函フェリー あさかぜ

1時45分から乗船開始ということだったので,船の手前でしばらく待っていたら「○○さんですか?どぞどぞ」と案内してくれた。車なしの一般乗客は私1人だったらしい。


東日本フェリーと同じく車両甲板から直接乗り込み,写真両脇に見える階段を上って客室に入る。全国いろんなフェリーに乗ったが,一般乗客も車両甲板から乗り込むのは青函航路だけだ。


客室はこれ1室だけ。たしかに狭い。1.5mくらいある長い枕が5つあるだけ。この日は乗客5人だったのでちょうど良かった。中年夫婦がやってきて客室に入るなり「なにこれ,これだけ?」と文句を言った。一晩中ぐちぐち文句を聞かされるかとうんざりしたが,さっさとお休みになってしまった。たしかにあの立派なホームページやパンフレットを見て乗ったら,何だこれと思われても仕方がない。

結局けっこう良い感じの船旅だった。ターミナルの窓口係員も,乗船案内係も,客室係も東日本フェリーに比べると格段に対応が良かった。サービスで売っているフェリーだというのがわかる。確かに部屋は狭いが,帰省シーズンやねぶた祭りの期間でなければ込み合うこともないだろう。2等運賃も東日本フェリーより430円安い1420円なので,安旅派にはおすすめである。

函館到着。私はここで異変に気づいた。フェリーを降りて見る景色がいつもと違うのである。函館山が間近に見えているので間違いなく函館ではあるが,ここは私の知らないところだ。

てっきり東日本フェリーと同じところに着くと思っていたら,青函フェリーのターミナルはまったく別の場所にあるのだ。地図を見ると現在地は有川操車場の少し南で,函館駅までは4km弱のところらしい。当初函館駅まではタクシーを使うことも考えていたが,これなら歩いても間に合いそうだ。

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