青函旅行記

モンテローザ(二)

引き続き恵山モンテローザを探訪。


謎の入口。


さらに入口。

涅槃像内部。涅槃像は巨大な張りぼてだったのだ。外皮は恐らく金属ではなく石油化学系の材料で作られている。鉄骨部分も腐食が激しく,このまま放置すれば近い将来,崩壊が始まるだろう。 涅槃像の脇にある岩もきゃしゃな張りぼてで,中には配管設備が収まっていた。

立像ではなく涅槃像にしたのは奇をてらったということもあろうが,一にコスト上の問題だと思う。

244さんによれば中にミニ涅槃像があるという話だったが,見当たらなかった。

恵山高原ホテル 恵山Monte Rosa

ホテルは欧風の外観だが,客室は和室と思われる。19世紀末の函館で流行した擬洋風建築の様式をくんだものであると無理やり解釈することもできなくはない。


ホテル前にあった看板。このクルーズを体験した人の話を聞いてみたい。

まだ使えそうなプール シャワー 目洗いと腰洗い槽,強制シャワー


何を煮たのか大きな鍋。あるいはプールを利用する人が暖を取るための温浴槽だったかもしれない。

プールの真ん中には噴水と天子様 プールサイドには龍


草刈りすればまだ使えそうなテニスコート。使えても使う人がいない。

モンテローザ見学を終えて

モンテローザは恵山の景観を壊しているという話だったが,道路から見る限り見えるのは凱旋門だけだし,景観上さほど支障はないと思う。自然破壊という点でも,ゴルフ場や農地開発,ダム・道路などの公共事業と比べたら些細なものだ。モンテローザができたことによって恵山のイメージが特別悪くなったようにも思わない。
結局モンテローザで最も痛手を負ったのは,開発をした本人であろう。この施設で本当に儲けられると思ったのだろうか。恵山は下北半島の恐山と姉妹霊場でもあり,ここに宗教的観光スポットを作ろうとしたのはわかる。しかし仏像や建物は東洋・西洋のものが何の脈絡もなく集められており,そこには宗教的な高い理念など何もない。これでは人が好んでやってくるはずがない。
バブルの時代には全道各地で無数のリゾート開発が計画されたが,実行に移されたものはごく一部である。恵山モンテローザは計画のごく一部ながらも実現した幸運な(不運な?)例であり,これらの施設はバブル景気の恐ろしさを我々に語りかけている。

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