北海観光節旅行記釧路発鹿児島ゆき 列島縦断の旅

因美線


ホテル内の天然温泉大浴場「おしどりの湯」で朝風呂。ここはかけ流しの湯で,城崎温泉よりも数段良かった。鳥取市は市内に温泉が沸いていて,北海道でいうと帯広や中標津のような町である。宿泊代は7080円也。


徒歩5分で鳥取駅到着。雨激し。

鳥取の市街はよく見ることができなかったが,ホテルの部屋にアンケート用紙が置いてあった。その中の一つ。

問8 中心市街地の問題点をどのようにお考えですか。
 
1 中心市街地に何があるか分かりづらい
2 時間を楽しく過ごせる目玉となる観光施設がない
3 人通りが少なくまちに活気がない
4 地元食材を堪能できるお店や飲食店が少ない
5 駐車場が少なく,自動車交通が不便そうである
6 バス等の公共交通機関の利用がしづらい
7 その他(                        )

回答の選択肢を見ただけで,いろいろ問題を抱えているまちなんだなあと思ってしまう。

鳥取7:29発→智頭8:17着 普通列車 3両編成1両目 HOT3508

 
鳥取には智頭急行の車両が出張してきていた。今年の大河ドラマは宮本武蔵なので,智頭急行は賑わうだろう。現在では山陽に出るのには智頭急行を使うのが主流だが,今日は因美線〜津山線の旧ルートを行く。今回の旅で唯一の初乗りローカル線で,もっとも楽しみにしていたところのひとつである。


郡家(こおげ)駅にて。ここから若桜(わかさ)鉄道(もとのJR若桜線)が分岐している。


河原〜国英間にて。霧に煙る山。日本的な景色だ。おおむね幹線で移動してきた今回の旅だが,ようやく本来の汽車旅が楽しめそうだ。

 
8時17分智頭駅到着。意外と素朴な駅前風景。

智頭8:23発→津山9:31着 普通列車 1両編成 キハ120-329


ここから列車も単行となり,いよいよ本格的なローカル線の旅となる。

因美線は鳥取から智頭駅までは智頭急行に直通する特急が頻繁に通っているが,智頭から先は普通列車のみとなる。1994年に智頭急行が開通してからもしばらくは因美線,津山線経由で鳥取と岡山を結ぶ"急行砂丘"が走っていたが,1998年11月に急行砂丘は廃止となり,智頭急行経由の"特急いなば"に取って代わられた。


土師〜那岐間。おおーっと感嘆の声をあげたくなるほどの感動的景色。


美作河井(みまさかかわい)駅。急行砂丘が走っていたころは走行しながらのタブレット授受シーンが見られたが,急行砂丘廃止と同時にCTC化され,駅も無人駅となって寂しい限りである。

それにしても因美線は路盤が悪い。25km/h制限が頻繁にあらわれ,ひどいところは雨天時15km/h制限がかけられている。経費削減のために線路の保守を最低限に抑えているのだろうが,これほど速度を落さないと危険だというのは恐ろしい話だ。

県境を越えて岡山県に入ると家の造りが急に立派になった。瓦屋根が誇らしげにピカピカ光っている家が多い。


9時31分津山着。

津山は先月,11月13日に中国自動車道で通過したばかりだ。前回は出張で来たのだが,こんな遠いところに頻繁に来るのも変な気分だ。

津山9:47発→岡山10:53着 快速ことぶき 2両編成2両目 キハ47-69

 
鳥取駅で購入してあった「鳥取三十二万石弁当」を開ける。この弁当は失敗だった。駅弁を買うときは荷物にならないように,なるべく包み紙だけ残して箱は捨てられるものを選ぶのだが,この弁当箱は竹で編んだ立派なもので,捨てるわけにいかなかった。仕方がないので弁当箱の中に電池の充電器やカロリーメイトなど詰め込んでなるべくかさばらないようにして,リュックに詰めた。

快速列車なのでスピードはそれなりに出すが,激しい揺れには驚いた。ジュースも飲めないほどだ。同じ鉄のレールでも保線の質によって舗装道路と砂利道ほどに乗り心地が違うというが,まったくこのあたりはひどい。津山線はいちおうグリーン車つきの"急行つやま"が1日1往復している。

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