北海観光節旅行記釧路発鹿児島ゆき 列島縦断の旅

帰路

西鹿児島駅12:30発→鹿児島空港13:30着 南国交通


これで「おまえ,桜島は見たことがあるか」と聞かれたときには,「あります」と言える。


鹿児島空港は鹿児島市からかなり離れている。高速道路を降りるところまでは順調だったのだが,もう空港はすぐそばに見えているのに,まったく前へ進まない。運転手さんの無線交信を聞くと今日は特別に混んでいるらしい。元旦からこんなに飛行機に乗る人がいるとは思わなかったが,全日空の1万円乗り放題の影響だろうか。わたしも1万円乗り放題で予約の変更がきかないから,乗り遅れると大変なことになるのだ。

結局,定刻より15分遅れで到着。出発時刻まであと25分。慌しいが何とかお土産を買うことはできた。

鹿児島14:10発→羽田15:45着 ANA626便 B777-300

 
ほぼ満席だった。隣には中学生と小学生の姉妹2人組みが乗っていた。わたしが中学校の頃は一人で飛行機に乗るなんて考えられなかった。操縦士さんもスチュワーデスさんも元旦からご苦労さん。

羽田空港では1時間45分の待ち合わせ時間があったが,おとなしく出発ロビーで座って待っていた。「羽田空港限定」の文字に惑わされて「シュウマイ弁当」を買ってみる。ロビーのテレビでやっていた「お正月だよ! 民謡大全集」,もっと見たかったなあ。

羽田17:30発→千歳19:00着 ANA71便 B747-400

 
千歳空港での乗り換え時間が19分しかないので,夜景を楽しみたいのはやまやまだが,少しでも早く降りられるようにあえて通路側の席にした。

運良くほぼ定刻で千歳空港に着陸した。

新千歳空港19:19発→南千歳19:22着 快速エアポート193号 5両編成3両目

南千歳19:31発→釧路22:58着 特急スーパーおおぞら11号 10両編成4号車 キハ282-3


さすが北海道,寒さが違う。ホームの待合室のガラスにふっと息を吹きかけると瞬く間に白く凍りついた。


ここからは1月1日〜2日の2日間乗り放題のスーパー前売りきっぷを使う。今晩は釧路の寮で寝て,明日またこの切符で上富良野の実家に帰省する予定だ。

今回の旅行は,青春18きっぷが11500円,全日空の1日乗り放題が10000円,JR北海道のスーパー前売りきっぷが10000円で,単純に考えると30000円強で鹿児島まで行って来れたことになる。しかしこれだけ安く済ましてしまうと,逆に罪悪感を感じなくもない。特に青春18きっぷはお金を持ってる社会人が使うべき切符ではないと思うが,途中で2回新幹線に乗ったのがせめてもの罪滅ぼしである。

そのほか全般にもっとケチケチせずにお金を使うべきだったと思う。現在日本は深刻な不況に陥っているが,お金はやっぱり使わないと経済がまわらない。

お賽銭ももっとあげればよかった。今回の旅行で20近くの社寺を巡ったが,お賽銭の総額は1000円以下,大宰府のお札を入れても2000円に達しないと思う。大事なのはお金じゃなくて心だという人がいるが,それは心なくしてお金だけ入れてもだめだという意味で,本来はやはり自分で汗水たらして稼いだお金を捧げるということが,神様に祈りの気持ちを伝える手段だったはずだ。懐が寂しくならない程度の金額では真剣に祈ったことにはならない。今後どれだけのご利益があるかわからないが,今回これだけの良い体験をさせてもらっての1000円はあまりに少なかったと反省する。実際計算してみても,巫女さんのアルバイト料を支払うには,参拝者がそれぞれ100円のお賽銭を入れるのでは足りないのである。わたしは実家が神様を好まないこともあって,おみくじを引いたりお守りを買ったりする習慣がないが,やっぱり神社に行ったならお守りの一つくらい買わなければだめだろう。お守りでなくともおふだの1枚くらいは買っておけばよかった。この3年くらいで伊勢神宮,出雲大社はじめ,全国のそうそうたる神社を訪れてきた。それらの神社でおふだを買っておけばよい記念になったのに,と今になって後悔する。しかし,おふだを目当てに神社を巡るようになってしまったら,それもまた人間の卑しい心を神様に見透かされるようでよろしくない。

現代社会においては,ともすれば値段をつけられたものに対してだけお金を払えばよいかのように錯覚してしまうが,昔からお布施とかお賽銭とかいう概念があるように,神様,仏様,あるいは人様,そして自然から授けられた恵みに対しては,できるだけのお金を払うこと,お金がなければ労力で奉仕すること,それもできなければせめて精一杯の感謝の気持ちをささげるべきこと。非常にあたりまえのことであるが,今回の旅行であらためて感じたことである。


22時58分,釧路到着。

旅行記終了,最後まで読んでいただきありがとうございました。

北海観光節