北海観光節旅行記>釧路発鹿児島ゆき 列島縦断の旅

今年の年末年始は土日がうまく配置されて9連休となった。会社勤めでこれだけ長い休みが取れることはめったにないので,ぜひどこかへ旅行に行こうと考えていた。

7月下旬,全日空が1月1日に国内線全便を10000円で1日乗り放題とすることが発表された。9連休の後半は実家に帰省するので,まず帰路はこれを利用することにした。同じ1万円ならできるだけ遠いところに行ってみたい。売り出し翌日の11月2日にインターネットで検索してみたが,沖縄方面の路線はことごとく売り切れていた。それでとりあえず,鹿児島→東京と羽田→札幌の便を予約した。羽田→釧路の便も既に売り切れていた。なかなか厳しいものである。

あとは往路の検討である。JRの指定席の売り出し開始までにはまだ1ヶ月の時間がある。元日の昼には鹿児島に着いていなければならないので,まず考えたのは,とりあえず飛行機かトワイライトエクスプレスで大阪まで行ってしまうことである。残る3日間でどこを見るかだが,わたしとしては中国地方が好きなので,陰陽連絡線を行ったり来たりするのもよいと思った。しかし,兵庫,岡山,鳥取,島根は11月に出張で行ったばかりである。何度も行きたいところではあるが,あまり頻繁に行くのもどうかと思われる。

次にJR四国のホームページを見たところ,「パースデイきっぷ」というものを見つけた。10000円でJR四国の特急のほか,土佐くろしお鉄道全線が乗り放題という素晴らしい切符である。わたしは12月が誕生日なのでこれが使える。四国というところはこれまであまり興味がなかったが,こういう切符があるならこの機会に四国を巡るのも良いかと思った。さっそく書店へ四国のガイドブックを買いに走り,行き先は四国に決まりかけた。

しかし,いざ旅費を計算してみると,この時期は割引がないから飛行機にしろトワイライトエクスプレスにしろ,大阪まで行くのに5万円近くかかってしまう。これはあまりにも高すぎる。それともう一つ気にかかっていたのは,大好きな東北地方を訪れることができないことだ。

そうだ。青春18きっぷで鹿児島まで行けばいいんだ。青春18きっぷによる日本縦断は学生時代から一度やってみたかったことだ。いまそれを実践してみよう。どうせなら根室発枕崎行きとしたかったが,それにはあと1日余計に時間を要するので,釧路発鹿児島行きとした。

旅程の骨格は,次のとおり決定した。

1日目:普通列車で釧路から苫小牧へ移動。苫小牧から八戸行き夜行フェリーに乗船。
2日目:宮古,山田線訪問。あとはひたすら南下。今シーズン新登場のムーンライト信州に乗車。
3日目:鳥取へ移動。
4日目:九州へ移動。福岡県内で年越し・初詣でをし,初詣列車で鹿児島へ向かう。
5日目:鹿児島から飛行機で北海道へ。

あとで詳述するが,この中でどうしても行きたかったのは,宮古・山田線である。そのためには東北本線で新幹線を使わなければならない。そのほか途中での特急利用を考えると,青春18きっぷではなく片道切符にして,久しぶりに途中下車印を押してもらいながらの旅も良いかと思ったが,費用を計算してみると,途中でかなり特急に乗ったとしても青春18きっぷのほうが安くつくことがわかった。


今回使用した青春18きっぷ。根室本線浜中駅で購入。

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