北海観光節旅行記旅ならば東北

宮古にて

茂市18:32発→宮古18:53着 山田線 宮古行普通列車

この列車は混雑していて座ることができなかった。

 

寿司ならば宮古

わたしは旅は景色を見たりうまいものを食べるだけでは意味がないと思っている。旅するときはいつも何か未体験のことに挑戦したいと思っている。今回の旅行では「釜津田訪問」と「宮古の寿司屋」が挑戦だった。

わたしはひとりで寿司屋に入ったことがなかった。ラーメン屋と違って寿司屋はちょっと勇気がいる。それで宮古で寿司屋に入ることを一つの挑戦と位置付けていたのだが,事情により一人で行くことはできなくなってしまった。

8月11日,例の宮古出身の友人に別件があってメールをした際,今度宮古を訪れる旨を伝えた。すると,実家のお母様と弟様と寿司を食べないかとのお誘いがあった。どうしようかとかなり迷ったが,年末旅行の際にはわたしを出迎えてくれたのに汽車の時間を間違えて行き違いとなったことや,その後ホームページの旅行記をみてお母様からメールを頂戴していた経緯もあり,これは一度お会いしておくべきかと思った。

わたしは旅先で人の家に泊まるとか食事を一緒にするということがいままでなかった。これは一人で寿司屋に入るというよりもずっと大きな挑戦になった。

先方には18時53分に宮古駅に到着する旨伝えてあり,駅で迎えてくれることになっている。お母様は娘さんと良く似ており,弟様は歩き方が似ているという。お母様はたしか大学の卒業式のときに後姿をちらっと拝見したことがあり,小柄な方という印象はあった。インターネットで知り合った人と初めて会う場合には会ってみてまったく印象が異なるということがあるが,今回は不安に思いながらも,何となくわかるのではないかという気がしていた。

緊張しつつ,汽車を降り,改札を出る。一発でわかった。やはり親兄弟である。

実は昼に一度宮古に来たときにハッと思った人,それはやはりお母様だったのだ。お母様もまた心配で昼に一度こっそり下見に来たのだという。それらしき人が2人おり,わたしはそのうちの一人に入っていたようだ。お母様はやはり友人が「子供の頃は母親がヤマンバだと信じていた」と言っていたように威厳のある方で,弟様は地元の企業に就職されてしっかりと家を守っているようで頼もしい。

買ったばかりという弟様の車に乗せていただいて,軽く宮古市内を観光する。浄土ケ浜,市場,海洋深層水の取水施設などを案内していただいた。

そして寿司屋。予約を入れておいていただいたようで2階の座敷に通された。

 

お品書きには特上,上,松,竹,梅とあった。わたしは父が寿司好きなので子供の頃から寿司を食べる機会は多かったが,毎回「並」で,それ以外は小学3年のとき父の友人に「中」をご馳走してもらったのが唯一である。ところがお母様はせっかくだから特上にしましょうとのこと。驚いた。

この魚正という店は宮古では2番目においしい寿司屋で,よし寿司と同格であるとのこと(いちばんおいしいという店の名前は失念してしまった)。蛇の目寿司は店が新しくなってから味が落ちたそうで地元の人はあまり行かないという。

いろいろ話しをした。わたしがなぜ宮古や山田線に魅力を感じているのかが不思議だったようだ。こういう人は初めてだと言った。わたしは食事をしながら話しをするのは苦手なのだが,せっかく招待してくれたので話題が途切れないようにと一生懸命話すようにしたが,緊張して正直寿司の味のほうは覚えていない。ただお母様は今日の寿司はいまいちだったとしきりに残念がっていた。しかしともかくこれで「お前,うまい寿司を食べたことはあるか」と聞かれたら,「はい,あります」と自信を持って答えられる。

さて,そろそろ寿司屋を後にする。寿司代はご馳走していただいた。恐縮極まりない。

駅まで送っていただき別れる。別れ際,旅のお供にと桃やみかんと「松藻」をくださった。松藻は宮古でしか手に入らない海藻だそうで,後日調べてみると高級珍味としてかなり高価なものだったようである。

霧の宮古駅。今度来るのはいつになるだろうか。

宮古21:00発→久慈22:24着 三陸鉄道北リアス線久慈行普通列車

 

ぐるっとさんりくトレインの車内で配布されている「ぐるっトク割引特典チケット」を提示すると900円で三鉄リアス線が乗り放題の切符を購入でき,久慈まで正規運賃の半額で行けてしまう。

久慈駅到着。駅前で水が噴き出していた。

本日の御宿は久慈グランドホテル。

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