北海観光節旅行記北東北観桜紀行

箱石

茂市14:21発→千徳駅前14:35着 岩手県北バス 106急行11便


千徳駅は宮古の一つ手前の駅。ここまで来れば家や店も増えて賑やかになってくる。

宮古へ行きたいのはやまやまだが,12月に行ったばかりだし,あまりしょっちゅう行くのも良くないと思われるので,今日はここで引き返す。

千徳15:00発→花原市15:05着 山田線 岩泉行き普通列車


駅の向かいに「ぢゃや」という真新しいコンビニがあった。宮古まで来て足跡を残さずに去るのも惜しいので,ちょっと買物をしておいた。

 
花原市から蟇目までは徒歩で移動。線路の山側にある旧道を歩いた。道に草が生えていたので大丈夫だろうかと思ったが,いくつかのトンネルを抜けて無事蟇目の集落に出た。


旧道沿いの蟇目集落。

蟇目16:03発→箱石16:38着 山田線 盛岡行き普通列車


蟇目駅。高校生など数人下車。


箱石ではお婆さんが1人下車。花のきれいな駅だった。駅舎は今年になって建て替えられたらしい。

箱石は旧道沿いに市街があり,旅館が2軒もあってなかなか趣深いところである。

箱石16:57発→川内17:01着 岩手県北バス 106急行20便


隣の川内駅までは歩いても行ける距離だが,トンネルが多いのでバスに乗る。


川内のバス停付近にあったカプセルショップ「ベコちゃん」。川井村は肉牛「いわて短角和牛」の産地である。

田舎なれども 南部の国はヨー 西も東も 金の山
岩手県民謡「南部牛追唄」より

北上山地を横断する街道には,馬も通れぬ道を牛の背中に交易品を積んで行き交ったという歴史がある。また「西も東も金の山」と唄われているが,奈良,平安時代には奥州が日本で唯一の金の産地とされ,この金を財源に平泉文化が誕生したのである。


南部曲家。かつて馬産地だったことのなごりである。川内では昭和58年の時点で6棟の曲家があったというが,現在いくつ残っているだろうか。

「やまびこ産直館↑1km」という看板を見つけた。汽車の時刻まではあと40分。往路10分,買物10分,復路10分,余裕を10分見て何とか間に合いそうなので早足で行ってみる。


区界の道の駅よりは物産が充実していた。ここで実家へ黒豆そばセットを地方発送する。働いていたのは高校を出たばかりのようなお兄さんとお姉さんで,もたもたしていて出発予定が5分遅れてしまった。結局また駅まで走ることになってしまった。
しかし,こういう地元の施設に就職した若者たちは地域の希望の星である。頑張ってほしい。


このトンネルの長さは300mくらいある。考えてみると私はトンネルを徒歩で通過したことがなかった。これはいやなものである。吹けば飛ぶような軽自動車もいったんトンネルに入ると爆撃機のような轟音を立てるのだ。帰りは旧道をまわればよいと思ったが,国道は高速道路のような高架で建設されているので,旧道と接続していないのだ。やむなく駆け足で通り抜ける。

 
川内駅は川の向こうにあった。川向かいに渡る橋には「あいさつ村」の看板。私も北海道の山村ならどこでもふるさとのように感じるので気軽に入っていけるが,岩手の山村となると勝手が違う。あらゆるものがあからさまになった現代社会であるが,東北にはまだ闇の世界が残っているという。よそ者がこういう場所に踏み込むのはちょっと怖くも感じる。


山田線の有人駅はどこもこのように活気がある。窓口も始発列車から終列車の時間まで開いている。

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