北海観光節旅行記映画・京極・流氷 北海道全駅下車の旅

今夜は"まりも"で

2003年2月14日(金),仕事を終えて帰宅し,例によって慌しく旅の準備をしてハイヤーで釧路駅に向かう。

一昨年4月に釧路に引っ越してから,特別急行まりもには10回くらい乗ったと思う。大変重宝している列車である。夜行なら3列シートのバスのほうがいいという人もいるが,バスは街灯の光が車内に入らないように完璧にカーテンで視界を遮られ,まったく外の景色を見ることができない。やっぱり夜行便は街道の明かりを見ながら行くのがよい。また夜明けのすがすがしい景色も夜行列車ならではである。

道内では札幌から釧路,網走,稚内,青森方面に座席車・寝台車併結の夜行列車が走っている。網走方面のオホーツク,稚内方面の利尻と比べると"まりも"は観光客が少なく,いまいち旅情に乏しい列車だと最初は感じていたが,乗る度ごとに風格を感じるようになってきた。特に釧路発札幌行きの"まりも"はかつて新婚旅行列車と呼ばれた輝かしい歴史を持ち,たくさんの釧路の人たちの夢を運んできた。

また他の夜行列車に比べて落ち着いて旅を楽しめるのも"まりも"の良いところである。"はまなす"では東室蘭まで,"オホーツク""利尻"では旭川まで終電の役目を果たしており,発車後もしばらくは各駅で乗降があって落ち着かない。その点"まりも"は上下とも途中駅での乗降がほとんどない。

"まりも"という名前もまたいい。"まりも"の愛称は1994年3月に一度消滅し,おおぞら13・14号を名乗っていたが,2001年7月に昼行特急が全便"スーパーおおぞら"となったのに伴い,"まりも"の愛称が復活したのである。おおぞら13・14号の時代は一部の人のみが知るマニアックな列車であったが,"まりも"になってからは私の職場でも「最悪まりも」というのが合言葉になった。翌日朝から札幌で用務があるのに仕事が片付かない場合の合言葉である。

 
道内発着の夜行列車では唯一寝台車を2両連結している。

23時ちょうど釧路駅発車。

5時50分,札幌駅到着。

札幌駅はいつの間にかホームに上るエスカレーターが3列になっていて驚いた。


6時00分発新千歳空港行き普通列車。札幌駅をいちばん早い時間に発車する列車である。


6時35分,サッポロビール庭園駅到着。

おい,朝っぱらからビールかい?

そんなはずはない。

札幌周辺で少し時間があるので温泉に入ろうと思う。しかし,早朝からやっている温泉は数が限られており,しかも値段が高いところばかりだ。

しょうがないのでサッポロビール庭園駅から約1kmの"割烹温泉えにわの湯"まで歩いて行く。ここは入浴料が1600円もかかる。


国道36号・恵庭バイパスを歩いて行く。トラックが多く興ざめ。


ここはもとのキリマンジャロ温泉で,千歳線の車窓からも見えた大鳥居で知られていた。1998年に廃業して鳥居は撤去され,1999年から隣接するカウボーイの系列施設として営業している。

浴場は清潔で広く,食塩泉とモール泉の2種類の特徴ある温泉が引かれており,特に食塩泉はかけ流しで使用されており,よい温泉だった。モール泉も今までいちばん濃いと思っていたモールガーデンむらぎしのお湯よりも濃かった。フロントの人も親切だったし,1600円払ってもまあまあ納得のいく温泉ではある。


恵庭駅から温泉までは2km。途中は工場地帯なので歩きたくないと思っていたら,都合良く無料シャトルバスがあった。JR恵庭駅・恵み野駅と温泉の間を約50分間隔で運行している。

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