北海観光節旅行記東京クリスマス

鶴岡八幡宮

2004年12月25日(土)


今回の旅行では初めての東京駅。

北海道の人間の特性として,日本史に疎いということがある。学校では本州と同じ教科書を使って勉強するのであるが,江戸時代以前の日本史というのは,道民にとっていわば外国の歴史のようなもので,実感が沸かないのだ。過去に政治の中心が置かれた場所として東京,京都,奈良くらいは修学旅行で訪れるのでわかる。しかし鎌倉となると知る人は少ない。

1192年に源頼朝が鎌倉に幕府を置いたことは当然知っているが,鎌倉という場所が日本地図の中のどこにあるのか,私も最近まで知らなかった。調べてみると鎌倉市という市が実在しており,東京から電車で1時間もかからない場所にあるのだ。徳川家康は京都からずいぶんと離れたところに都を移したものだと思っていたが,江戸幕府より400年以上前に江戸のすぐ近くまで政治の中心が移ってきていたのだ。

私は北海道人であるとともに,日本人でもある。日本人ならば一度鎌倉を見ておかねばなるまい。いざ,鎌倉へ。

東京8時42分発久里浜行き普通列車に乗車。


9時35分,鎌倉駅到着。


若宮大路。鎌倉駅前から鶴岡八幡宮に向かってまっすぐのびる参道。

鶴岡八幡宮

源氏の守護神を祭る鎌倉一の神社である。


三ノ鳥居。


境内にはこのような集団がうろうろしていた。鎌倉まで来てヨサコイかと思ったが,何かのイベントの研修を受けているようだった。


北鎌倉方面へ向かう。観光客なのか地元の人なのか,歩道にはたくさんの人が歩いていた。

建長寺


北条時頼の時代に創建された日本初の禅寺,鎌倉五山第一位。

  
三門は1775年の再建で,くぐるだけで心が清浄になるという。


仏殿。吹きさらしなので内部は痛んではいるが,年月を経ることに風格を増す本物の木造建築の素晴らしさを改めて感じた。


三門に「建長寺土曜法話」という看板があった。ん?今日は土曜日ではないか。しかもちょうどもうすぐ法話の時間である。しばらくすると案内放送がかかり,持ち運び式のスピーカーを持ったお坊さんが現われた。

私はいちおう仏教幼稚園の出身であり,花まつりの行列や報恩講にも参加したことがある。しかしこれまで仏教を知らないことにずっと劣等感を抱いてきた。子供のころ,友達はみんなお経を暗唱していたのに,私はお経を読めなかった。そもそも仏教の教えを理解していなかった。これは,祖父母や両親があまり仏教の信仰に熱心ではなかったということもあるが,菩提寺のお寺さんの影響もあると考えられる。

うちのお寺さんは法話が上手いことで有名であり,法話を聴くために遠方から葬儀に参列するという人もいるほどである。テレホン法話というのもやっていた。しかし,これまで何十回と聴いた法話を改めて思い起こしてみると,お釈迦様のことであるとか仏教の教えに直接触れる話はなかったように思う。お寺さんとしては恐らく身近な人たちの話を通じて,崇高な仏教の教えをわかりやすく説こうとしているのだろうが,一度仏教の基本をしっかり学びたいという思いもあった。

三門の下に座って30分ほどの法話を聴く。一休禅師の話に始まり,お釈迦様の話,そして座禅を組んで瞑想すれば世の中が違って見えてくるというような内容だった。聴いているうちに心の中が熱くなってきた。これはよい話を聴けた。聴いている人は最初4人くらいだったが,終わりには30人くらいに増えた。辻説法というのはこういうものなのだろうと思った。

円覚寺


1282年,元寇の戦死者を弔うために,8代執権北条時宗が創建したお寺。


横須賀線を渡る参道。


第3次動植物国宝の30円切手の図案になっている舎利殿。鎌倉唯一の国宝建造物である。


長い階段を上って弁天堂まで登ったものの,茶屋の中に入らなければ景色は見られないようだった。


仏教の無常観を表す含蓄のあることばである。

 
お休み処かねこで昼食。みそラーメン・五目ごはんセット850円。

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