北海観光節旅行記万博超特急

瀬戸会場

これから向かう瀬戸会場は,当初万博の主会場に予定されていた地区である。もともとこの地区は住宅地の造成が計画されていたところであり,万博はそのための開発を念頭に置いたものだった。したがって万博のテーマは当初環境とは何も関係がなかったが,計画を進める段階で国やBIE(国際博覧会協会)からの圧力もあって環境万博を標榜することになった。瀬戸会場は海上の森(かいしょのもり)と呼ばれる里山にあり,会場造成のためには貴重な森林を切り開かなければならいことから,万博のテーマと矛盾することになり,もめにもめた結果,主会場を既存の愛知青少年公園を利用した長久手会場に移したのである。

ゴンドラは8人乗り。1人分余ったのか,「お一人のかた〜」と呼ばれたので,「ハイ」と手を挙げる。周りを見渡すと一人客は私しかいない。

昨日からうすうす気がついていたのだが,1人で万博見物に来ている人はほとんどいない。これはおかしくないか。というのは,図書館で調べものをするのにわざわざ大勢で行く必要はないだろう。むしろ一人で行くほうが普通だ。同じように,万博で最先端の技術を勉強したいと思ったとき,一人のほうが都合が良いはずだ。


モリゾーゴンドラ長久手駅にあった看板。

 

ゴンドラは輸送力を確保するためか,恐怖を感じるほどにスピードが出る。途中住宅街の上を通過する部分では,電気的な仕掛けでガラスが急に曇るようになっている。

コンパクトな瀬戸会場。


市街方面を見る 瀬戸ゲート方面を見る


怪しい「北海道ソフトクリーム」。

市民パビリオンの外周をぐるぐる回って地表に降りる。「来場者はケヤキ広場・ブリッジを抜けてパビリオン外周スロープへと歩み入り,『森に包まれれる』感覚に浸っていく」などと説明されていたが,ただ長くて疲れるだけという声が多く聞かれた。

愛・地球博では市民参加が大きなテーマになっており,瀬戸会場は150年の博覧会史上,初の市民参加の会場と位置づけられている。市民パビリオンは市民参加プログラムの活動拠点である。内部には小さな展示ブースが並び,市民が出展していた。それなりに興味深い内容で,環境をテーマに掲げる愛・地球博の核心部といえるだろう。それなのに,混雑の激しい長久手会場とうって変わって,人もまばらで盛んに呼び込みをしていた。


海上広場でまず瀬戸日本館の整理券を入手。

公演開始まで1時間ほどあったが,瀬戸日本館の12時10分の公演を見る人は先に愛知県館を見てくださいと親切にも案内があったので愛知県館を見学する。

瀬戸愛知県館

 

この建物は一部が博覧会終了後も海上の森の拠点施設として残るため,本設の建物の上に仮設の建物が被さってできている。

森の劇場で巨大な虫の映像と,コナラの木の移植の映像を見せられた。森の回廊にはその移植されたコナラの木があった。

 

瀬戸会場の森のレストラン「Na菜Na」はしゃれた建物が魅力的だが,時間が掛かりそうなので弁当を購入した。この弁当が1200円もするとはぼったくりである。

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