北海観光節旅行記万博超特急

特別付録−北海道・博覧会の時代

1918年(大正7) 開道50年記念博覧会


『北海道大百科事典』(北海道新聞社,1981)
会場 第1会場:札幌区中島公園
第2会場:札幌区北1西4工業館
第3会場:小樽区水族館
会期 8月1日〜9月19日
入場者数 142万人

1869年(明治2)8月15日,蝦夷地を北海道と改称して50年目になるのを記念して開催された,北海道初の本格的な博覧会。この博覧会を機に,札幌に市電が登場した。

1931年(昭和6)国産振興北海道拓殖博覧会


『新聞と写真に見る北海道昭和史』(北海道新聞社,1989)
会場 第1会場:札幌市中島公園
第2会場:北海道物産館
会期 7月12日〜8月20日

中島公園には中央府県館などパビリオン6棟,特設館14,演芸館などあわせて160棟が建ち並び,大盛況を呈した。第2会場の北海道物産館は出品物の即売場として設けられ,各県の物産が一堂に会した。この年はその後冷害・凶作に見舞われ農村部では深刻な事態となった。

1933年(昭和8)北海道国防博覧会

資料なし

1950年(昭和25)北海道開発大博覧会


『旭川80年のあゆみ』(旭川市,1970)
会場 旭川市常盤公園,常盤中学校建設予定地
会期 7月〜8月

旭川市の開基60周年を記念して開催された,道内では戦後初となった博覧会。常盤公園内の主会場は海軍の美幌飛行場の格納庫を買収して設営された。また現在も公園内にある市立天文台はこの博覧会の特設館として建てられたもの。

1952年(昭和27)講和記念北海道平和博覧会

会場 岩見沢市,富良野町,帯広市

岩見沢市は市制10周年・鉄道開通70周年,富良野町は開町50周年,帯広市は市制20周年・開基70周年を記念して,3市町の巡回博という形で行われた。

このうち富良野町では富良野高等学校,富良野小学校を会場として国立博物館特設館以下10数館が設けられた。当時7歳だった松島トモ子が来演して人気を呼び,テレビの実験放送も行われた。京人形による各国風俗,時代風俗展は,後に札幌の三越がこれだけを開催して成功を収めたほどのものだったという。

 
『富良野市史第一巻』(富良野市,1968)

1958年(昭和33)北海道大博覧会

会場 札幌市桑園会場
小樽市祝津会場
会期 7月5日〜

開発途上の北海道の姿を広く内外に紹介宣伝するために開催された博覧会で,戦前,戦後を通じて日本最大の博覧会といわれた。この博覧会にあわせ,藻岩山ロープウェイと有料自動車道の藻岩山観光道路が開通した。

1968年(昭和43)北海道100年記念北海道大博覧会

会場 札幌市真駒内公園
会期 6月14日〜8月18日
主催 札幌市,北海道商工会議所連合会,北海道新聞社
テーマ 風雪100年,輝く未来
入場者 163万人

輝く北海道館,豊かな農林水産館,あすの科学館,オリンピック館,開けゆく宇宙館,観光と物産館,世界一周館,夢の生活館など15の展示館のほか,北海道では初めてのジェットコースターが登場した。

この年8月28日には函館本線小樽−滝川間が電化開業,9月2日には天皇,皇后両陛下,佐藤首相らが出席して北海道100年期年祝典が円山陸上競技場で盛大に開かれた。前々年にはIOCが1972年の冬季オリンピック開催地を札幌に決定し活気に沸いていた頃。

1982年(昭和57)'82北海道博覧会


'82道博スタンプ集
会場 札幌市道立産業共進会場(22.4ha)
会期 6月12日〜8月22日(72日間)
主催 北海道,札幌市,札幌商工会議所,北海道新聞社
テーマ いま,「北の時代」の出発(たびだち)
入場料 一般1500,高1000,小中600,幼300
入場者 267万6千人

1970年大阪万博,1975年沖縄海洋博という全国規模の大博覧会を挟んで,北海道では14年ぶりに開催された博覧会。期間中は好天に恵まれ,道民人口の半分にあたる267万人という空前の入場者数を記録した。

パビリオンはテーマ館と3つのサブテーマ館,16の企業展示館からなっていた。現在の月寒グリーンドームの建物がメインパビリオン「テーマ館」となり,"ラウンドシアター「北の時代」"では,観客は動く歩道に乗ってレーザー光線やスライドーショーによる展示を見学した。オイルショックを経て低成長の時代に入り,将来に暗い陰が差し始めていた頃で,3つ設けられたサブテーマ館では食糧,エネルギー,北方圏という博覧会にしてはやや堅い問題を扱っている。一方で家庭用のパソコンの普及が始まっており,NECのパソコンプラザをはじめとしてパソコン関係の展示が目立った。

遊園地には道内初登場となる宙返り式のジェットコースター「ルーフ・ザ・ループ」が人気を博し,ピーク時には4時間待ちの行列が発生した。これは翌年ルスツ遊園地に移設され,現在では古典的ジェットコースターとして貴重な存在になっている。大観覧車の高さは40mだった。

1984年(昭和59)'84小樽博覧会


'84小樽博覧会の思い出
会場 勝納会場(11ha),ピアIRONAI会場
会期 6月10日〜8月26日(78日間)
主催 小樽市,小樽商工会議所,北海道新聞社
テーマ 新しい,海のある生活都市へ
入場料 一般1500,小中700,幼300
入場者 167万9734人

小樽市では26年ぶりに開催された博覧会。道博に匹敵する入場者数で,地方博としては大成功を収めたとされる。メインのパビリオンは巨大な二枚貝の形をしたオタルステージで,これは定期的に貝の口が開閉し噴水と光による演出がなされた。その他大小18のパビリオンが設置された。

遊園地では本道初登場となるスタンディングコースターが人気を博したが,恐怖さが過ぎたのか最高でも30分待ちにとどまった。観覧車の高さは道博より10m高くなって50mになった。

勝納会場には小樽築港駅から浜小樽駅の支線の途上,小樽築港駅から1km地点に会場前駅が設置され,札幌−会場前間に快速スリッピ号が走った。また勝納会場とピアIRONAI会場の間は海上タクシー「はつかり」が結んだ。

1986年(昭和61)北海道21世紀博覧会


北海道21世紀博覧会の思い出
会場 岩見沢公園(183ha)
会期 6月22日〜9月15日(86日間)
主催 岩見沢市,岩見沢商工会議所
特別後援 北海道,北海道新聞社
テーマ NEW AMBITIOUS新時代への創造
スローガン みえてくる。―新しいふれあいの遊トピア
入場料 一般1400,小中700,幼300
入場者 135万人

パビリオンの数は11で,テーマ館は北海道21世紀館。サブテーマ館の北海道一村一品館は横路道政一期目の成果として道内212市町村のうち180町村が出展する大規模なものだった。最も注目を集めたのは本道初公開となる兵馬俑を展示した日中友好館だった。土曜日曜を中心に全道50の市町村から太鼓,民謡踊り,神楽,獅子舞などの郷土芸能が出演し,会場に彩りを添えた。。

遊園地はのちにそのまま三井グリーンランドに引き継がれるだけあって充実しており,3回転宙返りのコーク&ループコースターが登場,観覧車は当時世界一の85mの高さを誇った。マスコットキャラクターはトピア君。

1986年(昭和61)'86さっぽろ花と緑の博覧会


花と緑の博覧会の思い出
会場 札幌市百合ヶ原公園(24.6ha)
会期 6月28日〜8月31日(65日間)
主催 札幌市,都市緑化基金
テーマ 人と自然―そのすばらしい関係

建設省が提唱していた全国都市緑化フェアの一環として開催された博覧会。120万株の花が会場を埋め尽くし,札幌の姉妹都市ポートランド,ミュンヘン,瀋陽の各庭園,これに日本庭園を加えた「世界の庭園」などが設けられた。

会場内は国鉄と同じ軌間を持つ本格的な鉄道であるリリー・トレインが巡回し,これは現在も運行されている。

パビリオンはテーマ館のほか,集合展示館が2つ,企業館は三菱3D館,雪印館のみだった。子供の遊び場は設けられたが,機械式の遊具を設置した遊園地は設けられなかった。

1988年(昭和63) 十勝海洋博覧会 HIROO EXPO'88


十勝海洋博覧会の思い出
会場 広尾町シーサイドパーク広尾,十勝港
会期 7月2日〜9月4日(65i日間)
主催 十勝海洋博覧会実行委員会
テーマ 21世紀への船出―きみがヒーロー!
入場料 大人1200円
入場者 45万5千人

人口1万1千人の小さな町で開催された異色の博覧会で,規模は小さいものの成功を収めたとされる。会場にはテーマ館のほか海の動物館,北の生活館など約10のパビリオンが設けられた。マリンステージでは土日を中心に,本田美奈子,シブがき隊,早見優ら一流芸能人がコンサートを行った。観覧車の高さは20m。遊園地の規模は小さいが空いていれば1回分の料金で何度も遊具に乗せてもらえるなど大型博覧会にはないサービスがあった。

バスで結ばれた十勝港会場には青函連絡船「石狩丸」が係留され,内部には津川雅彦の店「グラン・パパ」が設けられるなどしたほか,町内の宿泊施設不足を解消するため洋上ホテルとしても使用された。ただ,時化で船が揺れ船酔い者が続出するというハプニングもあった。

博覧会跡地はシーサイドパーク広尾となり,水族館,レストラン,遊園地の一部は現在もそのまま残っている。

1988年(昭和63) 青函トンネル開通記念博覧会(青函博) 函館EXPO'88

会場 函館会場(函館市弁天町地区)
会期 7月9日〜9月18日(72日間)
主催 青函トンネル開通記念博覧会実行委員会
テーマ 新たな交流と発展―北の飛躍を目指して
入場料 一般2000円,高1500,小中1000,幼300
入場者 120万人

この年3月13日の青函トンネル開業を記念して函館,青森の両会場で同時開催された。当時,青函トンネル開業によって札幌,仙台に次ぐ第3の都市圏として青函圏の形成が期待されていた。函館会場の開会式では北島三郎の君が代の独唱で開幕した。メインは旧函館ドックの工場を利用した4万m2の単一パビリオンで,内部に40の小型パビリオンやレストランが入った。また青函トンネルが80mにわたって実物大の模型で再現されて人気を呼んだ。遊園地には高さ65mの大観覧車や全長570mのキャメルコースターが設けられた。

また,郊外の笹流ダム広場にはシンシン,ケイケイの2頭のジャイアントパンダが公開された。事前の入場者予測では青森より函館のほうが多かったが結果は函館120万人,青森147万人と,青森会場に比べて函館会場はやや盛り上がりを欠いた感があった。

青函博と食の祭典にあわせて青函連絡船十和田丸と羊蹄丸が6月3日から9月18日まで1日2往復復活運行したが,利用者はあまり多くなかった。この十和田丸と羊蹄丸は夜間はホテルとなり,2500円で泊まることができた。またキハ27形急行気動車を改造した快速ミッドナイトが青函博にあわせて7月1日から札幌−函館間で運行を開始した。

1988年(昭和63) 世界・食の祭典(ジュノス・ジャパン'88)

会場 月寒会場(月寒グリーンドーム),大谷地会場(アクセスサッポロ),大通会場,函館会場,ほか北海道全域
会期 6月3日〜10月30日
主催 (財)食の祭典委員会
テーマ 食・人間・地球
入場料 月寒会場 一般15点,小中10点
大谷地会場 一般9点,小中6点
入場者 175万人

月寒会場と大谷地会場をメインに,世界26ヶ国の料理を提供するレストランのほか,恐竜館,国際友好館などこれまでの博覧会同様のパビリオンも設けられた。料金は点数制で,あらかじめ磁気式のジュノス・カード(10点1000円,21点2000円,32点3000円)を購入するシステムだった。入場料のほか一部パビリオンは別途入館料がかかった。両会場とも遊園地が設けられ,観覧車や道内初となる垂直降下のウルトラツイスターが登場した。

開会後まもなくから「お金がかかる」「食事のできる場所が少ない」「テーマがあいまいなど」などの悪評がたち,入場者が予定の400万人を大幅に下回って90億円の赤字を出した。北海道史上初めてといえる大型事業の失敗は道民に深いショックを与え,責任追及の過程で関係者に自殺者が出るなど不透明な乱脈運営が問題をより大きくした。

 

昭和の御代の終わりとともに,北海道の博覧会の時代も終わりを告げ,以降北海道において博覧会は開催されていない。

読んでいただきありがとうございました。

北海観光節