北海観光節旅行記万博超特急

北海道では愛・地球博のことはほとんど話題になっておらず,私もいまどき万博なんてというさめた気持ちでニュースを見ていた。それが急に気になりだしたのは,たまたま5月16日になって「新建築」という雑誌を見たからである。

博覧会というのは単なるお祭りではなく,実際博覧会から生まれた技術はたくさんある。それは法的にも根拠のあることで,建築物を例にすれば,国内に建つ建築物は建築基準法による規制を受けるわけだが,博覧会のパビリオンは仮設建築物として規定の緩和が受けられるのである。そうしたチャンスを利用して技術者は博覧会で様々な実験を試みてきた。「新建築」誌では愛・地球博における建築技術者の取り組みが魅力的に紹介されていた。

愛・地球博は大阪万博以来35年ぶりの万博だという。日本人として,また技術者として,万博というものを一度見ておかなければならないと思った。

さて,どうやって名古屋まで行くか。名古屋は遠いし,お金もかかる。しかし国民の2人に1人が訪れたという大阪万博では,全財産をなげうって血を吐く思いで訪れた人も多くいたというのだから,ここは思い切ろう。

飛行機の超割,フェリーなども検討したが,鉄道利用が時間と費用を総合的に勘案してもっとも効率的と判断し,東京までは「札幌・東京フリーきっぷ」を利用することにした。日程的には会期末の9月は混雑するので避けたい。7月,8月は意外と空いているようだが暑さと梅雨の問題がある。そこで梅雨入り前の6月第1週の土日に行ってしまうことにした。決断したのは出発1週間前の5月27日だった。

 
今回使用した「札幌・東京フリーきっぷ」

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