北海観光節旅行記29歳の北東北

浅虫温泉

2006年11月2日(木)

旅の始まりは,おなじみ札幌駅5番ホーム。今日の急行はまなすは,2両増結の9両編成である。さすがに連休前夜とあって指定席は満席である。頑張って自由席に並ぶしかないと思っていたら,前日にキャンセルがあって,運良くドリームカーの指定券が手に入った。

発車する前に車掌さんが検札に来たので,早々に空気枕を膨らませて寝る態勢に入る。

23時03分,苫小牧到着。やや停車時間が長いと思っていると,この先で人身事故発生との放送が入った。まだ鑑識が現場に到着しておらず,当分の間運転を見合わせるという。車内放送が終わるのを待たずして,乗客は一斉に携帯電話のボタンをカチャカチャと押し始めた。みなどこに連絡をしているのだろうか。わたしも真似しようと思ったものの,一旦メールボックスを開くと,1年分たまりにたまったメールの受信で大変なことになるので思いとどまった。

23時37分,現場検証が終了したとの放送があり,車内灯を減灯。0時ちょうど,56分遅れで運転を再開した。はまなすはそれほどダイヤに余裕がないはずなので,青森までに遅れが挽回できるか心配だ。

函館発車は3時34分,遅れが22分ほど回復している。前のほうの席には,老婆が座っていた。すっかりもうろくしてしまったようで,函館を出ると騒ぎ出した。

「次だ,次だ」「いつまで寝ている」「秋田まで行くのか」「何で言うこときかん」

隣の娘さんに何度も何度もそう言い聞かせる。娘さんはいつものことという感じで完全に無視している。老婆はついに杖をついて徘徊を始め,デッキとの間を行ったり来たりしながら30分ほど騒いだあと,ようやく静かになった。

2006年11月3日(金)

青森には13分遅れで5時48分に到着。5時52分発の八戸行きへの乗り換えの便宜を図るため,着番線が2番線に変更となり,所定の接続がとられた。

 

到着が遅れたためか,3・4番ホームのmen-shopは行列ができるほどの賑わいである。めかぶそばを軽い朝食にする。

青森6:10発→浅虫温泉6:34着 東北本線 八戸行き普通列車

次は朝風呂だ。青森から東北本線を各駅停車で行くのは久しぶりだ。

浅虫温泉駅到着。浅虫温泉は青森県を代表する歓楽型の温泉地である。最近は「麻蒸湯札」という温泉宿の共通入浴券を企画したり,早朝の温泉街散策ツアーを実施するなど,熱心な取り組みが見られる。駅前には足湯ができていた。

道の駅「ゆ〜さ浅虫」

JRの駅から歩道橋を渡ったところに道の駅「ゆ〜さ浅虫」があり,5階が展望浴場になっている。朝7時開館なので,早速入湯。湯殿からの青森湾の眺めは素晴らしく,湯船からあふれたお湯が,洗い場に向かってさらさらと流れており,大変気持ちの良い温泉だった。

「はだか湯」入口 湯殿からは湯島を間近に望む

浅虫温泉7:31発→青森7:55着 東北本線 青森行き普通列車

温泉でついついゆっくりしていると,道の駅を出たときには発車2分前になっていた。駅のプラットホームはそこに見えているので,間に合うとは思ったが,駅に着いて電光式の発車案内を見上げると,乗るはずの列車がない。時計は先ほど時報で合わせたばかりなので時間は間違っていないはずだ。「しまった,休日運休だったか」と思って時刻表を見たが,休日運休とは書かれていない。

そうこうしているうちに時間は過ぎ,改札係員に問うと,列車はもう入っているという。乗り場へ走り,一度閉まったドアを開けてもらって何とか乗車することができた。

結局,出発時刻1分くらい前には発車案内の表示を消してしまうようで,北海道とは勝手が違うのである。これからは気をつけなければならない。

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