北海観光節旅行記週末,僕はふらの・びえい人になりました。

富良野オムカレー

富良野市といえば「北の国から」やスキーというイメージも過去のものになりつつあり,最近ではカレーの町ということになっている。

富良野のカレーが広く知られるようになったのは,2002年に市職員有志が「食のトライアングル(農・商・消)研究会」を結成してからのことである。同研究会では地産地消を軸にした“ふらの”型食(カレー)文化の創造を目指し,市内21の飲食店からなる「カレンジャーズ」や,地元女子高生からなる「ふらのカレンジャー娘」の結成,毎月22日のカレーの日には店舗ごとに各種サービスを展開するなどの活動を行っている。また,ハウス食品やリクルートじゃらん北海道とタイアップすることで様々な媒体で全国に紹介され,にわかに富良野のカレーが熱気を帯びてきている。

さらに,富良野の独自の食文化として「富良野オムカレー」を考案し,毎月6日を「オムカレーの日」に制定,昨年3月20日から市内7店舗で一斉にオムカレーをメニュー化した。

朝日のあたる家

 

昭和57年の開店以来「たまごカレー」が人気メニューだったというこのお店は,オムカレーも評判。

今年1月6日には新たに「白いオムカレー」がメニュー化された。当初は1月いっぱいの限定メニューで,以降は毎月6日のオムカレーの日だけ提供される予定だったが,3月まで毎日食べられることになった。

ということで,白いオムカレーを注文。

「白い」というと,わたしなどはスガノ農機を思い浮かべてしまうが,最近は北海道における牛乳の消費拡大に関わる重要なキーワードとなっており,昨年は「白いプリン」がブームになった。白いオムカレーも多分にこれを意識したものであろう。

「富良野オムカレー」の定義は6つある。

第1条 お米は富良野産を使い,ライスに工夫を凝らす
第2条 卵は原則 富良野産を使い,オムカレーの中央に旗をたてる 
第3条 富良野産の「チーズ(バター)」もしくは「ワイン」を使用する
第4条 野菜や肉,福神漬(ピクルス)なども富良野産にこだわる
第5条 富良野産の食材にこだわった一品メニューと「ふらの牛乳」をつける
第6条 料金は税込み1,000円以内で提供する

このお店ではお米にはきらら397を,卵は大西養鶏場の「さくらたまご」を使っているという。オムカレーの中央にはたしかに「旗」が立ち,「ふらの牛乳」と一品メニューのデザートもついていた。

店内では地元の女性グループが食事をしていた。「スキー祭り行ってみたけどガラガラだったわ」と嘆いていた。このところスキーに来るのは,地元の人かスキー学校か自衛隊しかいないとも話していた。道内外各地からバスや臨時列車でスキー客が大挙して押し寄せる時代は過去のものになってしまったのだ。

ナトゥールヴァルト前18:59発→新プリンスホテル19:08着 ふらのバス 快速ラベンダー号

北の峰から新富良野プリンスホテルまで4kmほどあるので,バスに乗る。富良野と旭川を結ぶこのバスは,一方で富良野市街とスキー場エリアを結ぶ役割も担っている。

新富良野プリンスホテル到着。

まずは,まだ行ったことのない森の時計とSoh's BARに行ってみる。ほのかに照らされた林の中の道をしばらく進む。

喫茶「森の時計」

2005年1月から3月にかけて放送された倉本聰脚本のドラマ「優しい時間」で使われた喫茶店で,ドラマ終了直後から実際に喫茶店として営業を始めた。ドラマと同じように,自分で豆をひくことができるという。

Soh's BAR

「哀れな愛煙家のためのおとなの隠れ家」をコンセプトに倉本聰が監修したバー。

いずれも「大人」の店なので,外観だけ見てそっと立ち去る。

ニングルテラス

小さなログハウスが十数軒建ち並ぶ工房群。「北の国からの落し物」という店は「森のドラマ館」と名を変え,商品はいっそう進化していた。帽子やジャンパーをセットにした五郎さんになれるセットが人気を集めていた。

それぞれの店の前の雪だるまがとてもかわいかった。

ホテル内の売店にはちゃっかり旭山動物園のコーナーもあった。旭山動物園も数年前までオリジナルのお土産など何もなかったのに,ずいぶん進化したものだ。

新富良野プリンスホテル20:00発→北洋銀行20:25着 ナイトシャトルバス 3便

車内は3,4割の座席が埋まっており盛況だった。しかし,乗客のほとんどは北の峰のホテルで降り,富良野市街まで残ったのは3人だった。

バスはスキー場のホテル街と富良野市街のナイトスポットを結ぶことを目的に運行されており,市街ではへそ歓楽街,北洋銀行,ふらの広場に停車する。ホテル行きの最終便はふらの広場21:30発なので,このバスで来ても市街で1時間ほど時間を取れる。

ネオンがまぶしいへそ歓楽街。

富良野20:44発→上富良野20:58着 富良野線 旭川行き普通列車

オムカレーはお腹を満たすには少々足りなかったので,ローソンでサンドウィッチを買って帰ると,母が「恵方巻き」があるから食べなさいと言って,太い海苔巻きをくれた。

今度は父が,「恵方巻きがたくさん売れ残っていた。明日になったら全部廃棄だぞ」と言って,安くなった恵方巻きを,家族では食べきれないくらいほど買ってきた。

恵方巻きとは何だ,最近田舎ではこんなものが流行っているのかと気味悪く思っていたら,恵方巻きとは節分の日限定の太巻きで,北北東を向いて食べると幸運が訪れるのだという。

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