北海観光節旅行記それでも僕は東北へ行く

富士急ハイランド

今回の旅行のテーマの一つは,日本を知るということである。

最近札幌の街角で「私たちは日本人ではありません。北海道人です!」というたい文句を見かけて,大きなショックを受けた。

わたしは一応日本人としての誇りを持ってこれまで生きてきたつもりである。しかしそれももう北海道に住む限りはうち捨てなければならないのだろうか。いや,それは違うと思う。我々は北海道人であるとともに,日本人でもあるのだ。

日本人ではない北海道人とは何なのだろうと考えてみれば,暴走族のパレードを公認したかのようなよさこいソーランまつり,西友の牛肉偽装事件で店に押し掛けた人達,どこの国籍かわからない家が建ち並んだちぐはぐな住宅街,など,ろくなものが思い浮かばない。すなわち,日本人ではない北海道人がなすことというのは,文化の蓄積も伝統も何もないところから生みだされた単なる思いつきなのである。

たしかに北海道で暮らしていると,自分が日本人だということを忘れてしまうことはある。しかし,新しい文化を創造するには,まず人類古来からの文化の蓄積がなければならない。当然,先住民族は先住民族としての誇りを持つべきだと思うが,かつての日本から北海道に渡ってきた人達は,日本人であることの誇りを忘れてはならないのだと思う。北海道が及びもつかないような素晴らしい文化が北海道以外の日本には存在しているということをまずしっかりと見つめ,北海道の文化もまずは日本の文化を蓄積したところから生み出されるものでなければ,世界に太刀打ちできるものにはならないのではないかと思う。


さて,日本人の心意気を表す言葉に「花は桜木,山ならば富士」というのがあるが,わたしは富士山をまともに見たことがなかった。今日は天気も良さそうだし,まずは富士山を見に行こう。

新高円寺14:07発→荻窪14:12着 地下鉄丸ノ内線 荻窪行き

東京らしい路地を歩いて青梅街道へ戻る。今度は新高円寺駅から丸ノ内線に乗る。

荻窪14:16→三鷹14:23 中央本線 高尾行き普通列車

中央本線に乗り換えて山梨方面へ向かう。事故の影響で若干ダイヤが乱れていた。

三鷹14:26発→高尾14:56着 中央本線高尾行き特別快速列車

三鷹は大学生の時,研究で何度か来たことのある懐かしい町。

高尾14:58発→大月15:46着 中央本線 甲府行き普通列車

列車の接続も良く,どんどん西へ向かう。

 

関東の駅百選・大月駅。

大月15:51発→富士急ハイランド16:38着 富士急行 河口湖行き普通列車

大月で富士急行に乗り換えとなる。民家の軒下のようなところをガタゴトと進み,富士山に向かって徐々に標高を上げていく。

富士山は,富士急ハイランドから見ることにした。国民的遊園地といえば,やはり富士急ハイランドだろう。北海道においてもその知名度は圧倒的で,わたしにとっても子供の頃から憧れの地だった。

富士急ハイランド

富士急ハイランド駅を降りると,すぐに遊園地のゲートがあった。ところが遊園地の営業は17時で終了とのことで,券売所は既に閉まっていた。週末は終夜営業すると聞いており,寒風吹きすさぶ夜に絶叫マシーンに乗るのはどんな人達なのだろうかという興味もあったのだが,今日は金曜日なので17時で終わりだというのだ。

それでも入園はできたので,ひととおり園内を巡ってみる。

園内には富士山を模した小山があり,その頂上に登ると,本物の富士山がきれいに見えた。

巨大な遊具が所狭しと密集している。わたしは遊園地の乗り物自体には興味がなく,せいぜい観覧車くらい乗ってみようかと思ったのだが,観覧車も止まっていた。

かろうじて,メリーゴーラウンドとこの「凄腕」という遊具だけが動いていた。凄腕というのは恐らく園内でもいちばん小さな遊具だが,動き出すと「キャ〜〜〜〜〜〜〜」という見事な叫び声が富土山にこだました。いちばん小さいのでこれだけ迫力があるのだから,ジェットコースターが動いていたらどんなだったか想像もつかない。

園内でいちばん大きな「ええじゃないか」を見上げる。総工費36億円を投じて建設され,回転数ではギネスブックにも認定されているローラーコースターである。

スケートリンク「クリスタル・ラグーン」。

ともかくこれで,「お前,遊園地に行ったことはあるか」と聞かれたときには,「はい,あります」と自信を持って答えることができるようになるであろう。

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