北海観光節旅行記九州吹雪

あかつき

意外とこぢんまりした三島駅。

三島17:50発→京都19:43着 東海道新幹線 ひかり421号

 

新大阪行きの700系ひかりはさすがに混雑していた。三島駅で購入した「柿田川のいなり」はいなり寿司5カンに,わさび漬けのパックが5つついているという変わった弁当で,さすがに隣の人が見ている前でわさび漬けを全部あけて絞り出すのは気兼ねしたので,3つだけにしておいて,残り2つは隣の人が寝ている間に直接口に入れて味わった。

京都駅の在来線乗り換え口。大きな背嚢を担いだ帰省客でいっぱいだ。

京都20:02発→鳥栖6:17着 特急なは・あかつき

いよいよ寝台列車で九州だ。

京都発長崎行きの「あかつき」,同熊本行きの「なは」はこの3月のダイヤ改正で廃止されることが決まっている。1965年に関西と九州を結ぶ寝台特急として運行を開始した「あかつき」は全盛期の1974年には7往復に達した。一方,「なは」は沖縄の本土復帰前の1968年に西鹿児島行きの列車名として登場し,2004年3月に九州新幹線開業により熊本に運転区間を短縮,2005年10月から現行の「あかつき」「なは」併結運転となった。

関西と九州を結ぶブルートレインはこの1往復が残るのみで,まさに風前の灯火である。惜別乗車のファンも多数見られた。

機関車には両方の名前の入ったヘッドマークがつき,先頭客車は「なは」,最後尾は「あかつき」のマークを表示していた。

  

A寝台シングルデラックス,B寝台ソロ,シングルツイン,ツイン,デュエットなどを連結するバラエティに富んだ編成だ。

 

今日乗車するのは最後尾のレガートシート車である。

レガートシート車は1990年に導入された3列シートの座席車で,この1両だけは寝台料金がかからず特急料金のみで乗車できる。

 

腰掛けは電動リクライニングで,これは操作方法が非常にわかりづらいものだった。肘掛けの蓋を開けると妙な形の読書灯が出てきた。

20時02分,京都駅を発車。

斜め前の男性は,1リットルパックのお茶をカラの500mlペットボトルに移し替え,残りはストローで飲んでいた。本人はいろいろ考えているのだろうが,この男性,要領が悪すぎる。カメラも丁寧に2重の袋に入れていたのだが,写真を撮るために袋に入れたり出したりを延々と繰り返しており落ち着かない。

大阪から何人か乗車してきた。3列シートは腰掛けが斜めに配列されているため席番がわかりづらく,大阪からの乗客とダブルブッキング状態になって,何人かが席を移動していた。

先ほどの目障りな男性も前に移動したのでせいせいしたが,後から乗ってきた客も目障りなことには大差なく,リクライニングを倒して写真を撮ったり,行動が変である。

結局,発車から1時間を経ても車内の約半数の人が立ってうろうろしているという異様な光景が続いており,まったく落ち着かない。

21時30分,乗客は申し合わせたようにして袋をバリバリと破り,マスクをし始めた。この地方ではマスクをして寝るのがはやっているのだろうか。

21時55分,姫路を発車すると大牟田,佐賀まで車内放送を休止する旨案内があった。車端のロビーコーナーは家族連れが独占しており騒がしい。日付をまわった頃ようやくゲームをやめて車内に戻ってきたが,今度は明日の目覚ましを何時にセットするかで家族会議が始まった。

車内は消灯すると真っ暗になり,山陽路をひたすら西へ向かう。

列車がガタンゴトンと大きく揺れたので目を覚ますと下関だった。

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