北海観光節旅行記中国四国右回り

姫路城

  

姫路駅到着。戦後の復興の象徴である風格ある民衆駅が,高架化事業によりまた姿を消すのであろうか。

広々とした駅前通を真っ直ぐ歩いて姫路城へ向かう。

約15分で城の入り口に到着。ここまで来たことはあったが天守閣に入ったことはなかった。姫路城は来春から5年がかりの大修復工事が行われるため,ぜひとも今回の旅行で訪れたかったのである。

 

まずは入場券を購入。

御殿を囲む百間廊下をひたすら進む。外からは単なる廊下に見えても,実際は小さな部屋がいくつも連続したものだった。窓には当然ガラスなど入っていなかった。

いよいよ大天守へ入る。

姫路城に関して気になっていたことは,まずこれだけ大きな建物を木造でどうやって支えているかということだった。もしかしたら内部は柱ばかりで空間がほとんどないのではとも想像していた。もう一つ気になっていたのは,人工照明がなく,ガラス窓もなかった時代,天守の中の明るさはどうだったかということである。

 

天守の中は,意外にも広々としており開放感があった。幸いにも人工照明はごく一部を除いて設置されておらず,当時の明るさを体験することができたが,四方から外光が差し込むため,思いのほか暗くはなかった。

構造は東西2本の大柱で地階から6階まで支持していた。現代の鉄筋コンクリート建築物ではとても実現できない軽快さである。

 

最上層からは姫路市街をぐるりと見渡すことができた。

城を後にするとき,大天守が夕日に映えて見事だった。

城の向かいにはお土産屋が並び,世界遺産だけあって,東京タワーや浅草のような日本調の土産物を多く取り扱っていた。

師走の賑わいを見せる駅前商店街。

その商店街のなかに趣のあるレコード屋(MUSICミヤコ)があったので入ってみた。年輩の店主には「何かお探し? 若い人は演歌がわからないから」と声を掛けられたが,演歌よりもむしろ民謡や純邦楽の充実ぶりが際だっていた。

そして少し歩くとまた店先に演歌のテープがずらりと並ぶレコード屋(毎日舎)があった。ここには民謡がほとんどなかったが,見たこともないような廃盤のカセットテープがたくさん置いてあった。

札幌でも最近まで狸小路にキクヤと鈴屋という2件の特色あるレコード屋があったが,どちらもこの1,2年で閉店になってしまったのは寂しい限りである。

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