北海観光節旅行記熊野古道と北リアス線

大日越

本宮の商店街はきれいに整備されていた。

ここからは,熊野古道大日越で,本日宿を取っている川湯温泉を目指す。

大日越は大・中・小辺路には含まれないが,熊野本宮と湯の峰温泉を結ぶ道ということで,古くから参詣者に利用されていた道である。

 

大日拝殿と月見ヶ丘神社。

鼻欠け地蔵。

本宮からの標高差は215m,約2kmの短い峠越えのはずであるが,行けども行けども上りに感じられた。上りはまだ足へのダメージが少ないが,この分だと下りが思いやられる。

案の定,下りがきつかった。このあたりは岩盤が露出しており,岩肌を削って道にしている。その上を水が滝のように流れており,著しく滑る。思わずどうしようかと,ため息をついてしまうような場所が何か所かあった。

そろりそろりと下り,2kmの道のりに約1時間を要して,湯峯王子に到着。

これで今日の古道歩きは終わりだが,結局,十津川温泉から古道歩きの人に一人も出会わなかった。これが世界遺産の実態か。

湯の峰温泉に近づくと,暖かな光を放つ茶屋があった。これまで,なぜだか茶屋の跡ばかりで若干殺伐とした気持ちになっていたので,とてもほっとした。

天台宗東光寺。

湯の峰温泉に到着。温泉井戸の屋根の下では,ジーンズがびしょ濡れになった女性が傘をたたんで案内書を見ていた。ようやく同類項に出会えて嬉しかった。

趣深い公衆浴場。

絵のように美しい湯の峰温泉界隈。

17時を回り,だいぶん日も暮れかけてきた。バスもあるが,せっかくここまで歩いてきたのだから,最後まで歩き通そう。川湯温泉までは3kmほど,もうひと踏ん張りだ。

真っ暗な道を行く。

途中,渡瀬温泉の分岐を通過。西日本最大の露天風呂があるという。

温泉隧道を抜ければ川湯温泉だ。

17時43分,本日のお宿,川湯まつやに到着。

今日は,乗り物に一度も乗らなかった。

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