せっかく沖縄を旅行するなら,沖縄本島にとどまらず,もっと南の島へと思って,一気に石垣島まで来た。
いきなり激しく動き回るまでには,まだ調子が出ないので,とりあえずバスでぐるりと島を回ってみることにする。
路線バス乗り場に行くと,案内の人がバスの時刻表や割引券を一式渡してくれた。
沖縄のバスは時間にルーズだというもっぱらの評判で,ガイド本によっては,バスで回るのは不可であるように書いてあるものまであったが,親切な案内にまずはほっとした。
しかし,そう思ったのも束の間,発車待ちで暇をしている運転手さんからフリーパスを買おうとすると,実際に乗るバスで買ってもらわないと売り上げが異なるからと断られた。それから空港の売店で買い物をすると,それは隣の店の商品だと会計を断られ,これはなかなか面倒な土地かもしれないなと思った。
どれだけ遅れて来るのかと思ったら,ほぼ定刻で乗るバスがやってきた。
ようやく1日フリーパスを購入。申し訳ないくらいに安い。
南ぬ島はパイヌシマと読み,南の島という意味だそうだ。
まずは石垣島の東岸を北上する。
伊野田集落通過。
北海道並みの快適ドライブウェーだ。この道は終戦直後に米軍のマクラム中佐が開削したので,マクラム道路と名がついている。
伊原間でバスを下車。バスは定刻よりも早いくらいで走っていた。
集落の間を抜けると,いきなり誰もいない海に出た。水の透明感がすごい。日本海,太平洋,オホーツク海とは全然異なる。
あちらこちらに,表面が網目状の白い物体が転がっていた。最初,腐ったメロンかと思ってぎょっとしたが,これがサンゴなのだった。
鳥居の奥には,コンクリートの祠があった。神社に見えるが,これが沖縄で言う御嶽なのだろうか。
1日1本の西回伊原間線は,伊原間ドライブイン跡から発車。
今度の運転手さんは気さくな方で,旭川から来たというと,「自分らはヒトケタの経験がないのですが,プラス3℃とマイナス3℃は違うものですか」と微妙な質問をされた。今年は雨続きで,今日は久しぶりの晴れだという。
今度のバスは島の北岸を東から西へと走る。
暑かったら窓を開けていいですよとのことで,遠慮なく窓を開けさせてもらう。バスは,途中で県道を外れて栄という集落に入っていった。
これがサトウキビだろうか。
食堂 | 公民館 | 商店 |
基本的に平屋の建物が多い。
カフェ,レストラン,ペンション,シーサー工房,エコツアーショップなどが道路沿いに点々とあった。
風光明媚なこの沿線も,かつてはマラリヤによる幾度もの廃村,米軍基地建設で追われた読谷からの移民開拓など苦難の歴史があったという。
運転手さんおすすめの眺望スポット。この先,約150kmには尖閣諸島がある。