[北海観光節]  [北海道駅前観光案内所]

千歳線

[沼ノ端→苗穂]


1968.10 日本交通公社時刻表

千歳線[沼ノ端→苗穂]の概要


●歴史

大正15年に北海道鉄道株式会社が沼ノ端−苗穂間を開業。昭和6年に東札幌−苗穂間を電化し,定山渓鉄道の電車が乗り入れ開始。昭和18年国有化し千歳線となる。昭和48年に東札幌,月寒(つきさっぷ),大谷地,旧上野幌,旧西の里(信)経由の旧線が廃止となり,新札幌経由の新線が開業した。現在函館本線との分岐駅は白石駅だが,起点は苗穂のままである。なお旧線跡は現在サイクリングロードになっている。
昭和36年に函館−旭川の特急おおぞらが千歳線経由となったのを皮切りに,函館−札幌間のメインルートが倶知安経由から千歳線経由に移行し,昭和55年10月の電化および千歳空港駅開業,昭和56年10月の石勝線開業により,幹線としての重要性が一段と高まった。千歳空港が移転拡張されたのに伴い1992年7月には新線を建設して新千歳空港駅が開業。沿線も札幌のベッドタウンとして人口の増加が著しく,北広島は1996年9月に市制を施行した。

●車窓

概して茫漠とした車窓で北海道らしさを感じさせる。地味はあまり良くないらしく,田畑は少なく,新興住宅街や工場が目立つ。植苗や美々のあたりは人里離れた雰囲気で,線路際の紅葉林が美しい。美々−南千歳間では新千歳空港を間近に見る。千歳〜恵庭〜北広島は道内屈指の人口密集地帯で,車窓に住宅が連なるが,いっぽう清流・千歳川や漁川の水を活かしたビール工場などが見られる。北広島を出るといったん市街が途絶えて山越えとなり,右手に北海道百年記念塔が見えてくると新札幌副都心を通過,左に広大な札幌貨物ターミナルを見て函館本線に合流する。

●運行系統

寝台特急カシオペア,北斗星,トワイライトエクスプレスは千歳線内では南千歳のみ停車。函館−札幌の特急スーパー北斗・北斗,および青森−札幌の急行はまなすは南千歳・新札幌停車。室蘭−札幌間の特急すずらんは千歳にも停車する。これらの列車は札幌行きが下り列車となる。石勝線の特急スーパーとかち・とかち・スーパーおおぞら・おおぞらは南千歳,新札幌停車で札幌発が下り列車となっている。
新千歳空港−札幌を36分で結ぶ快速エアポートは,日中15分間隔の運転で,うち1時間に2本が小樽,1本が旭川に直通する。停車駅は南千歳,千歳,恵庭,北広島,新札幌で早朝・深夜はこれに白石が加わる。快速ミッドナイトは1999年から季節列車化され,2000年冬からは常時自由席が連結されるようになり,停車駅に北広島が加わった。
各駅停車の普通列車は千歳−札幌間の区間列車が約30往復,これに17.5往復の苫小牧方面からの列車や早朝・深夜の新千歳空港−札幌間の普通列車が加わる。なお普通列車でも植苗,美々,サッポロビール庭園は通過する列車がある。

●利用状況

道内随一の利用客を誇る路線だけあり,概して混んでいる。快速エアポートはかなりの割合で立ち客が出る。しかし普通列車は朝の札幌行き,夜の千歳行は混むがその他は空いており,手稲−江別間よりはむしろゆったりしている。千歳−苫小牧は閑散区間だが,千歳から学区を越えて苫小牧の高校に通う高校生もかなり多い。

●車両

東室蘭以遠や石勝線に直通する特急・寝台特急は気動車または客車である。特急すずらんは781系,旭川直通の特急エアポートは785系特急電車。785系使用のエアポートは特急券なしで特急車両に乗れるため乗り得列車といわれている。他のエアポートは3ドア転換クロスシートの721系電車で,2000年11月には指定席に特急並みの居住性を誇る"uシート"が導入された。2002年3月には快速エアポートの恵庭停車に伴い,721,781系電車が130km/h運転を開始した。
普通列車は大部分が721系と3ドアロングシートの731系で,711系は東室蘭に直通する朝の上りと夜の下りの1往復のみとなっている。
石勝線直通の普通列車は千歳−南千歳間,全列車キハ40形700番台単行で運転。また日高線に直通する臨時列車・優駿浪漫号はバラエティに富んだ車両が充当されている。

それでは,千歳線各駅停車の旅をお楽しみください

植苗駅へ