[北海観光節]  [北海道駅前観光案内所]

函館本線 その2

[森→長万部]


全国鉄道地図,昭文社,1975

函館本線[森→長万部]の概要

幹線中の幹線のこの区間。特急列車や貨物列車が激しく行き交い,普通列車は影の薄い存在です。つい特急で通過してしまいがちですが,途中にはもともと信号場として設置された小さな駅が点在し,幹線の風格を感じることができます。訪れる人が少ないだけに,自分だけの風景を独り占めできるこの区間の途中下車の旅はいかがでしょうか。


●歴史

函館本線の函館−小樽間は民営の北海道鉄道会社によって建設され,函館側は明治35年12月に本郷(現・渡島大野),同36年6月に森まで,同年11月3日に熱郛まで開通した。また,国縫から日本海側の瀬棚を結ぶ瀬棚線の建設が大正15年から始まり,昭和7年に全通した。
戦時中には輸送力の増強を図るため,桂川,本石倉,鷲ノ巣,北豊津に信号場が設置された。
昭和41年10月,函館−瀬棚・長万部間に急行せたな運航開始。しかし瀬棚線は国鉄再建法による第2次廃止対象路線となり,昭和62年3月19日に廃止。
1993年3月,キハ281系スーパー北斗運転開始。最高速度130km/h,所要2時間59分で函館と札幌を結んだ。2000年3月,普通列車ダイヤの大幅な改正が行われ,下り快速アイリスが廃止された。

●車窓

内浦湾の海岸を走り,おおむね単調な車窓。森からしばらくは崖の下を行く。石倉から落部にかけての海岸は特に美しい。八雲町に入ると地形は幾分穏やかになり,野田生,落部とのどかな畑の中を走る。八雲から長万部にかけては人家も少ない茫漠とした海岸を行くが,黒岩のあたりは荒々しい海岸線が見られる。

●運行系統

鷲ノ巣−山崎間,黒岩−北豊津間に単線が残る。石谷,落部,八雲,国縫駅では待避可能で,普通列車が特急の通過待ちを行うこともある。

●特急・急行・快速列車

札幌−函館間に特急スーパー北斗・北斗が11往復運行。途中停車駅この区間の停車駅は八雲,長万部。いずれも一部通過する列車がある。

●普通列車

普通列車は7往復と少ない。さらに長万部から先の接続が極めて悪く,使用しにくい。途中下車の旅を楽しむ場合,函館−長万部間の路線バスを併用すると行動の幅が広がる。

●利用状況

●特急・急行・快速列車

特急スーパー北斗・北斗は東室蘭・苫小牧−札幌間の利用が多く,函館−東室蘭間は比較的空いている。自由席でもたいてい座れるが,休日などは突発的に混むことがあり,森,八雲,長万部から乗車すると座れないことがまれにある。快速ミッドナイトは北海道随一の人気列車で,特に夏の青春18きっぷシーズンは森,八雲,長万部から乗車して席を見つけるのは難しい。冬・春はがら空き。

●普通列車

62.8kmの区間に町は八雲一つしかないので,列車は概して空いている。ただ,旅行シーズンには長万部から東室蘭,小樽方面への接続が良い列車は混みあう傾向がある。函館から札幌まで,特急列車の3倍もの時間をかけて移動をする人たちは,意外に多い。

●車両

●特急・急行・快速列車

特急スーパー北斗はキハ281系またはキハ283系振り子車両。283系の方がパワフルだが,281系のほうが乗り心地が良いように思う。北斗は183系でスピードは283系に劣るが,183系の中でも高速運転可能なN183編成(最高120km/h),NN183編成(最高130km/h)が充当されている。その安定感ある走りにはファンも多い。快速ミッドナイトは長らくキハ27形の専用車両で運行されてきたが,2000年12月からキハ183系に置き換えられている。

●普通列車

全列車キハ40形700番台。一部は混雑対策のため片側1列の3列シートに改造されている。また826番〜841番は初期車と呼ばれ,内装や座席の配置が異なる。うち函館運転所には831・835〜841が在籍している。この区間は1〜2両編成で運転されるが,森で下りは切り離し,上りは増結が行われることが多いので注意。

 

それでは,函館本線その2各駅停車の旅をお楽しみください

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