[北海観光節]  [北海道駅前観光案内所]

室蘭本線 その3

[苫小牧→岩見沢]


「全国レクリエーション鉄道地図」交通協同出版,1960

時速130kmの特急が行き交う苫小牧までとは一転して,沼ノ端からは非電化のローカル線となってしまいます。しかし上の地図を見ると,室蘭本線が本線である所以がよくわかります。石炭列車もなくなり,時代に見放されたかのような路線ですが,駅にふらりと降り立ってみれば,新鮮な発見があるかもしれません。

室蘭本線[苫小牧→岩見沢]の概要


●歴史

明治25年8月1日に東室蘭−岩見沢間が北海道炭礦鉄道の路線として開業。前年に同社が開業した岩見沢−歌志内間とつながって,石狩炭田から室蘭港への石炭輸送を担ってきた。明治39年に国有化。大正時代には苫小牧−追分間の複線化が進められた。昭和50年12月14日,室蘭発岩見沢行き列車が全国で最後のSL旅客列車となった。室蘭本線から分岐していた夕張鉄道は昭和50年10月廃止,万字線は昭和60年3月廃止。いっぽう,昭和56年10月には道央と道東を結ぶ石勝線が,追分で室蘭本線と交差する形で建設された。

●車窓

苫小牧以西と同様,勾配もカープも少ない。往時には,2800トン,長さにして550mにもなる長大石炭列車が行き来していた。しかし走っているところは石狩平野ではなく,由仁安平低地といわれるところ。東の夕張山地,西の馬追丘陵にはさまれ,さほど開放的な眺めは得られない。追分−三川間の胆振石狩国境を境に南北で景観がまったく異なり,南側は樽前山の火山灰の影響で土地が悪く,牧場多いのに対し,北側は古くからの水田地帯で,典型的な田園風景が展開する。全般にあまり特徴のない車窓風景だが,それがかえって印象に残るかもしれない。岩見沢に向かって,どちらかというと側の車窓が良い。

●運行系統

かつて追分−岩見沢間に急行夕張が運行されたこともあるが,もともと貨物列車が主役の路線であり,旅客列車は少ない。現在は苫小牧−岩見沢間に各駅停車の普通列車が7往復運行。また,苫小牧−追分・夕張間,追分−岩見沢間の区間列車もわずかに設定されている。追分で石勝線の列車との接続は良い。また千歳線の列車とは苫小牧ではなく沼ノ端で接続となる。
なお現在も貨物列車が運行されている。また札幌をバイパスする線として団体臨時列車の利用頻度も高い。優等列車では札幌発・新千歳空港経由,富良野行の臨時特急が追分−岩見沢間を通過するが,室蘭本線内では客扱いを行わない。

●利用状況

どの駅にもそれなりの利用者がおり,ローカル線の列車にしてはかなり混んでいるほう。また苫小牧で特急を降りて岩見沢方面に向かう通しの利用者も意外に多い。客層としては函館本線の長万部−小樽間に似ているが,車両がキハ40形なので,庶民的な雰囲気が漂っている。

●車両

苫小牧運転所のキハ40形700番台2連というパターンが多く,単行や3両編成もある。また苫小牧−追分間に1日1往復,日高線運輸営業所のキハ40形350番台またはキハ160形が入る。

それでは,室蘭本線その3・各駅停車の旅をお楽しみください

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