釧網本線

川湯温泉 かわゆおんせん 無人駅
川上郡弟子屈町字川湯
昭和5年8月20日開業
標高164m 24人
対向式2線
網走より79.8キロ
緑より14.5キロ
2000.8.7下車

●緑→川湯温泉の車窓

緑駅前の道を南東に進むと清里峠を越えて中標津に出る。この道路の沿線には神の子池,裏摩周展望台,養老牛温泉など魅力的な観光スポットがあり別れは惜しいが,釧網本線は我が道を行く。
25パーミルの急坂を,列車は鈍重な歩みで上り始める。まわりに畑はなくなり,いよいよ山深くなってくる。山の中には林道が縫い,現在も伐採作業が行われている。すっかり衰退したようにみえる林業だが,ここではまだ生きているようだ。
北見・釧路国境を釧北トンネルで抜けると,川湯温泉に向かって転げ落ちる。
川湯温泉に着くと「ちゅっぷ」というパン屋さんがホームで待っており,窓を開けてパンを買うこともできたが,今もやっているだろうか。

●川湯温泉駅

昭和63年3月に川湯から川湯温泉に改称。派手な駅名となったが,温泉街は北に3.5kmほど離れており,駅は原野の中にある。ともあれ,登別,洞爺,湯の川,定山渓,層雲峡,十勝川,阿寒という道内第1級の温泉郷の中では,唯一徒歩圏内に駅がある。写真のように駅舎は風格があり,これは開業当時の建物だという。今の時代,鉄道で温泉を訪れる観光客は少なく,やや寂しいが,駅内には喫茶店・オーチャードグラスが営業しており,ファンも多い。駅舎の一角に足湯があり早朝5時から6時半の間を除き自由に入浴できる。泉質は川湯温泉とは異なる。
駅前ではバスやタクシーが待っており,バスは列車のダイヤに合わせて運行されているので便利。温泉街まで所要10分,280円。写真ではバスの陰になっているところに「摩周の伏流水」が涌き出ている。

●見どころ

□川湯つつじの湯

駅右手にある共同浴場。駅から徒歩2分と近く便利だが,設備面では銭湯よりも劣る。観光シーズンでも混むことはない。(2000.8入浴)

1130-2130(9-4は-2100) 水休 200円

□三浦綾子ミニ文庫

川湯駅裏約1km。入館は川湯ビレッジまで。

800-1700 無料

□硫黄山

大きな駐車場,お土産屋など,いかにもの観光地。初夏の白ツツジ,秋の紅ウルシの紅葉が特に美しい。硫黄山レストハウスは新しくなり,少し味気なくなってしまったが,2階には跡佐登硫黄鉱山についての展示があって興味深い。ほとんどの観光客は駐車場に車を停めて,硫黄の匂いが漂う山腹を少し歩いて引き返してしまうが,鉄道旅行ならではの楽しみ方もあり,おすすめ。(2000.8探訪)

▽青葉トンネル

駅から硫黄山までのアプローチとなる。駅前で国道に出て右折し,少し歩く左手に入口がある。明治時代の軌道跡を利用した遊歩道。ほとんど歩く人はいなく,くもの巣にからまれるが,舗装道路を歩いて行くよりは楽しい。(2000.8探訪)

▽つつじヶ原散策路

硫黄山から川湯温泉の相撲記念館の裏まで2.5kmの散策路。エゾイソツツジの群落やハイマツ帯を通る。すぐ横を国道が通っているにもかかわらず,原始の自然を体験できる。要所に案内板があり,植生の成り立ちを理解できる。青葉トンネル〜硫黄山〜つつじヶ原散策路〜川湯温泉というコースで,片道は駅から温泉まで歩いてみたい。(2000.8探訪)


川湯温泉

駅前から列車に合わせてバス運行。所要10分,280円。立ち寄りの湯としてはあまり向かない温泉のようにも思うが,温泉の他にも見どころは多い。セイコーマートもある。


□川湯エコミュージアムセンター

道内2番目のエコミュージアムセンター。周辺の自然を詳しく紹介しているほか,自然体験プログラムも用意している。館内は子供たちで賑わっていた。(2000.8訪問)

800-1700(11-4は1600,夏休み土曜は-2000) 水休 無料

▽アカゲラの小径

センター裏の森を散策する2kmのコース。硫黄山へのツツジヶ原散策路に連なる。

□川湯相撲記念館

昭和59年開館。戦後3大横綱の一人・大鵬幸喜の記念館。32回の優勝記録はいまだ破られていない。その32枚の優勝額は圧巻。大鵬のことをよく知らない現代っ子でも楽しめる内容。熱心な相撲ファンなら,呼びだし永男製作のミニやぐらなど興味が尽きない。お土産も豊富。いまだ古さを感じさせず賑わっている。(S62.8入館)

630-2100(6-9),900-1700(10-5),800-1800(5月連休) 310円

□ダイヤモンドダストin KAWAYU

平成11年1/15〜3/7にはじめて行われた。気象学者の指導のもとで制作。クイズや花火はやめ,純粋に自然の芸術を楽しむもので,大人気。毎日実施だが,成功率7割。

2000- 無料

□川湯温泉

「湯の川」と名づけようとしたところ,函館に同名の温泉があったので,逆にして「川湯」にしたという。私がいままで道内で入った温泉の中では最も好きな泉質だ。強酸性のお湯は肌に効き,体も軽くなる。当然源泉かけ流し。温泉旅館はいずれも地元資本で地味めだが,日帰入浴可能。

▽御園ホテル

大浴場は風格あり,露天風呂も気持ちいい。川湯でいちばん良いと思う。(2002.2入浴)

日帰入浴1200-1800 600円

▽川湯グランドホテル

▽ホテルニュー湯の閣

▽国民宿舎ホテル川湯パーク

▽KKR川湯

▽川湯国際ホテル

▽川湯第一ホテル

▽川湯観光ホテル

▽ホテルパークウェイ

上記ホテルで日帰入浴可。

北海道駅前観光案内所 美留和