洞爺湖温泉誕生100年記念感謝祭

訪問日:2010年7月24日(土)

場所:洞爺湖汽船駅前桟橋特設会場

虻田町と洞爺村が合併して洞爺湖町が誕生した2006年から開催されている洞爺湖温泉夏祭りの初日を飾るイベントである。例年,サマーフェスタin洞爺湖として開催されるが,この年は「洞爺湖温泉誕生100年記念感謝祭」として特別版で開催された。2008年7月の主要国首脳会議「洞爺湖サミット」においては,盆踊りや洞爺湖音頭が国際親善に重要な役割を果たしており,サミットを経て本イベントも洗練された内容となっている。

プログラムにはアートフリーマーケット,洞爺湖温泉ゆかた美人コンテストなど,恒例のイベントが並ぶが,「ぐるっと洞爺湖マイムマイム」は,本年初めて開催されている。2009年に行われた洞爺湖音頭100人踊りは,本年のプログラムから消えていた。

会場は洞爺湖畔の洞爺湖汽船駅前桟橋近くで,芝生の広場に出店やステージが設けられていた。

射的 ヨーヨー釣り

 

特産品販売コーナー ご当地グルメの「ぐる巻ソーセージ」 洞爺湖マルシェ

洞爺湖温泉ゆかた美人コンテスト。出場者は各温泉旅館に所属しているようである。公開オーディションのような形で,町長から「今まででいちばん感動したことは?」などと案外真面目な質問がなされ,洞爺湖小唄保存会賞,洞爺湖温泉飲食店組合賞,商工会長賞,町議会議長賞,町長賞の各賞のほか,準ミス2名,ミスゆかた美人1名が発表された。ミスゆかた美人は昨年,今年と洞爺観光ホテルの代表者が勝ち取った。

19:30〜20:30 盆踊り大会

ゆかた美人コンテストの終了後,すみやかに盆踊り大会に移った。あらかじめ先導役の踊り手が何人か整列しており,前のプログラムからの熱気が冷めることなく,はじめから踊りの輪が作られたのは理想的な展開だった。子ども盆踊りはなく,北海盆唄のみによる盆踊りである。

第一級の温泉郷で開催される盆踊りだけあり,観光客の参加が多かった。洋の東西を問わず,外国人が旅館の浴衣を着ての参加も目立った。彼らは,最初こそカクカクとした手振りでぎこちなかったが,輪を2周もすれば,並みの日本人と同じぐらいには踊れるようになっていた。

盆踊り大会動画(5.4MB)

北海盆唄はテープ演奏が用いられていた。地元の愛好者によりこの盆踊り用に吹き込まれたものと思われ,「昭和新山……」の歌詞が含まれている。「それではまいります」から始まり,最後は太鼓の早打ちで終わる50分間の長編録音である。III型歌唱で三味線を基調とする伴奏は道内の農村部の盆踊り演奏として標準的であるが,「アレサナー」を低く唄い出す唄い手がいたこと,一般に「ヤーレット」の箇所を「チョイサー」としていた点において特徴がある。唄われた歌詞は下記のとおりで,標準的歌詞からべっちょ節に起源をもつもの,他の民謡からの引用など多様であった。太鼓は簡素な櫓下に太鼓が2張用意されていた。

北海名物 数々あれど おらが国さで 盆踊り
五里も六里も 山坂越えて 逢いに来たのに 帰さりよか
唄え囃せよ 叩けよ太鼓 月の世界に 届くまで
茶屋のあねこは 踊りが上手 紅の袖裏 チラチラと
波の花散る 津軽の海を 越えて蝦夷地へ いつ来たか
ちゃんこ茶屋の婆 お茶出せ茶出せ 煙草盆出せ キセル出せ
あの娘よい子だ 踊りが上手 婿に行こうか 嫁にしよか
踊り見に来て 踊りの中で 誰か手を振る 浴衣がけ
お前来るかと 一升買って待ってたよ あまり来ないので 飲んで待ってた
揃ろた揃ろたよ 踊りが揃ろた 稲の出穂より なお揃ろた
おらが国さで 自慢のものは 一に追分 盆踊り
はやし太鼓に 手拍子揃え 櫓囲んで 盆踊り
姉と妹に 紫着せて どちが姉やら 妹やら
唄え踊れよ 叩けよ太鼓 月の世界に 届くまで
昭和新山 ○○○○○ わたしゃ○○○ ○○○○○
月はまんまるだよ 踊りもまるい わしとあなたも まるい仲
高い山から 谷底見れば 瓜や茄子の 花盛り
空の星さえ 夜遊びなさる わしの夜遊び 無理もない
空の星さえ 盛りは十五夜 わしの盛りは ○○○やら
信州信濃の 新そばよりも 私ゃあなたの そばがよい
遠く離れて 会いたいときは 月が鏡と なればよい
揃ろた揃ろたよ 踊り子が揃ろた 秋の出穂より よく揃ろた
貴方百まで わしゃ九十九まで 共に白髪の はえるまで
星の数ほど 男はいても 様という人 主一人
恋の病に お医者を呼べば 氷枕で 風引きだ
思い返せば ○○○○○○○ ○○○○○○○ ○○○○○
○○○○○○○ ○○○○ならば ○○○○○○○ ○○なるよ
娘島田に 蝶々がとまる とまるはずだよ 花じゃもの
(漁場の)姉コは お白粉いらぬ 銀の鱗で 肌光る
してもしたがる 爺様と婆様 今日もしてきた 寺参り
踊り踊るなら 品よく踊れ 品のよい子を 嫁にとる
唄に誘われ 太鼓に引かれ 今来たこの道 二度三度
踊り揃うて 輪になる頃は 月も浮かれて 円くなる
立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は 百合の花
わしと貴方は 羽織の紐だ かたく結んで 胸に抱く
ちょいと抱きしめ 手枕させて 指で操る 三味の糸
わしとお前は 米なら○○○ 早く刈り取れ ○○おくれ
※「○○○」は音声不明瞭により歌詞不明。

司会者は2人。盆踊り中の余計なアナウンスは一切しないながらも,踊りが終わってまた登場したのは素晴らしかった。

20時45分からは,恒例の洞爺湖ロングラン花火大会。

盆踊りは,このあとお盆までの祭り期間中,毎日実施される。