昭和・北海道地図資料館

北海道ミニミニマップ

昭和52年 ホクレン

これは私が古本屋で購入したもの。100円か200円だったと思う。ホクレンとは北海道の農協の連合会であり,昭和39年から給油事業を実施している。現在では過疎化により給油所の廃止が激しいものの,小さな集落まで全道くまなく網羅しており,北海道にしかないガソリンスタンドのため,特に道外からの観光客には人気が高い。また給油してスタンプをためるともらえるホクレンマップも評判が良い。この北海道ミニミニマップも現在のホクレンマップと同じく昭文社の図版を用いており,B7という手のひらにおさまるサイズではあるが,154ページに及ぶ充実の内容である。


石勝線1/750000
長和駅,東長和駅,ニニウ駅,下トマム駅が掲載されている。しかし実際に旅客駅として開業した占冠駅とトマム駅は掲載されておらず,逆に当初から信号場として計画されていた東占冠が駅として表示されている。石勝線の開通は昭和56年10月,国道274号石勝樹海ロードの開通はさらに10年後の1991年9月。


白糠線1/750000
中足寄駅,螺湾駅,茂螺湾駅,釧勝トンネル,鯉方信号場が掲載されている。この当時道内で建設されていた国鉄線は名羽線,美幸線など他にもあったはずだが,この地図ではなぜか石勝線と白糠線だけが掲載されている。白糠線は足寄から西はさらに北十勝線に接続して新得へ至り,根室本線のバイパスルートとなるものだった。しかし北進以北に延伸することはなく,全国赤字ローカル線の先陣を切って昭和58年10月に廃止された。


知床1/750000
知床林道はかつて有料道路だったという噂を聞きつつ長い間確認できなかったが,ようやく有料道路として掲載されている地図を見つけた。知床峠はまだ開通していない。


中標津町詳細図1/25000
都市図は札幌,函館,室蘭,小樽,旭川,稚内,帯広,釧路,苫小牧,岩見沢,留萌,北見,網走のほか,なぜか倶知安と中標津が入っている。農協の力が強かったのだろうか。


有珠山1/170000
昭文社の地図は色合いに味気がないのが難点だが,この地図の観光図はなかなか良い感じである。現在の地図にも復活させてほしいものだ。有珠山は昭和52〜53年に噴火するので,本図はその直前の様子を描いており貴重である。

 
巻末には観光ガイドがついている。写真は小清水原生花園を走る列車。現在でも列車が走っているがこれほど見事なお花畑は見られなくなっている。蒸気機関車が走らなくなって野火がなくなったのが一因といわれている。
左の文章には「全道をくまなくまわるとすれば駆け足でも20日くらい必要とする。ゆっくりまわったら1ヶ月から40日くらい」とある。この頃はこのくらいゆっくりと時間をかけて旅行する人も少なくなかったのだろうか。


オーロラタウン
地下街の店舗も現在とはかなり顔触れが異なるようだ。中央広場にあった「よろこびの川」は埋め立てられてしまった。

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