北海観光節小さな旅行記錦秋日高路

二風谷

平取神社前11:06発→平取温泉11:19着 道南バス 平取温泉行き

温泉の入浴客が何人か乗っていた。

びらとり温泉

 

正式名称は「平取町老人福祉センター」といい,館内に和牛の精肉店が入っているのが珍しい。八角形の大きなドームを二分して男女別の湯殿が設けられ,巨岩を配置した岩風呂は見事だった。

温泉からにぶたに湖を見る。

二風谷

二風谷(にぶたに)は北海道を代表するアイヌ集落で,国道237号線沿いの観光名所になっている。元参議院議員で今年5月に亡くなられた萱野茂さんが住んでいたところでもある。

前出のイザベラ・バードは『日本奥地紀行』の中で,明治11年当時の平取のアイヌ部落の様子を詳細に記録している。集落があった場所についてはこう記している。

「平取はこの地方のアイヌ部落の中で最大のものであり,非常に美しい場所にあって,森や山に囲まれている。村は高い台地に立っており,非常に曲がりくねった川がその麓を流れ,上方には森の茂った山があり……」

「非常に曲がりくねった川」とは沙流川のことであろうか,あるいは二風谷を流れる看々川(かんかんがわ)のことであろうか。カンカンとはアイヌ語で腸のことで,川が腸のように屈曲していることからついた名だという。

バードはまた,平取のアイヌ部落には清潔感が漂い,病人もなく,みな美しい服を着ていたと書いている。同書の中で和人の町はみすぼらしく蚤がたかり,女性でも上半身裸の者が多かったと書いているから,このころはまだ本来のアイヌ文化が残っていて豊かな暮らしを営んでいたのだろう。

平取町立二風谷アイヌ文化博物館

 

萱野茂氏が収集したコレクションを町が買い受けて,1992年4月に開館した博物館。展示物は2002年に重要有形民俗文化財に指定されている。

沙流川歴史館

 

二風谷ダムの建設に関わる埋蔵文化財や,沙流川流域の自然や歴史を紹介する豪華な施設。入館無料だが,入館者は誰もいなかった。

にぶたに湖

湖底にはチサンケ(舟下ろしの儀式)が行われていた場所が沈んでいる。

萱野茂二風谷アイヌ資料館

 

もともとは昭和47年に開館した町のアイヌ資料館で,新博物館開館後は萱野茂氏の私設資料館として,アイヌのほか世界の先住民族の資料を展示をしている。

資料館裏手の復元アイヌ民族家屋。

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