北海観光節旅行記秋の湯殿山・尾瀬

15. 高畠へ

17時24分,産直あさひグーでバスを降車。ほかに登山客が2名降りた。

産直あさひグー

 

閉店時間が迫っていたので,急いで店内を覗いた。

野菜など直売品のほか,種も販売していた。タネは宇都宮種苗のウタネが1つの棚を占めていた。

六十里越街道のオリジナルグッズのコーナーもあった。

しかしながら,夕食に食べられるようなものはなかった。食堂も昼食のみの営業だった。

2kmほど手前に,月山軒という良さそうなドライブインが見えたので,そこでバスを降りればよかったと後悔した。

 

やむを得ず,ファミリーマートで弁当を求め,電気自動車の充電所の基礎に腰かけて食べた。

バス停まで行って食べるという手もあったが,先ほどバスを一緒に下りた登山客が先に行っていると思われたので,ここに留まった。

こんなにみじめな食事は学生時代以来だ。

山形自動車道上の庄内あさひバスストップに向かう。産直あさひグーから歩いて10分弱の場所にある。

階段で山形行きのバス乗り場に向かう。

階段の上では,予想どおり,先ほどの登山客が2人で話しているのが聞こえた。

「あら,さっきの方ね」と,向こうもこちらのことに気づいていたようだった。

バスが来るまでの15分ほど,少し話をした。

昨日は羽黒山の宿坊に泊まり,月山に登って,湯殿山に降りてきたのだという。

今日は山形に泊まるが,嵐コンサートの影響が山形まで及んでおり,「コンサート客お断り」という旅館を見つけてようやく予約が取れたという。

あさひBS→山形駅前20:04着 山交バス 山形駅前行き

鶴岡を離れ,本日の宿,高畠へ向かう。

湯殿山ICで山形自動車道を降りた後,湯殿山有料道路の分岐まで,先ほどと同じ道を延々引き返す。

月山口バス停は真っ暗だった。

実は,湯殿山から姥ヶ岳に登って,月山リフトで下り,西川町営バスの月山志津温泉線で月山口17:50着,それから寒河江ダムドライブインで食事を取って,19:05通過のこのバスを待つという行程も検討していたのだが,ドライブインは真っ暗だった。やめておいてよかった。湯殿山本宮の参拝にぎりぎり間に合ったことにしても,今回の旅行は運に恵まれている。

20時を過ぎ,久しぶりに街の灯りが見えてきた。

20時04分,山形駅前に到着。

列車の時間まで45分あるので,駅前にあった山口精肉・製麺センターに入ってみる。

店内は戦場のようで,席は空いていても,器を洗うのがまったく追いつかない様子。そんな中でも,女給さんがふらふらになりながら1人で気高に仕事をこなしていた。

店主はまさに全身全霊を込めて,そばも,1杯ずつ鍋で作っていた。

そばが出てきたときは,てんぷらがまだじゅうじゅうと音を立てていた。昨日昼の鳴子温泉以来となる,きちんとした食事をいただく。

山形20:49発→高畠21:25着 奥羽本線 米沢行き普通列車

2両編成のこの電車は立ち客もいた。

フォルクローロ高畠

高畠駅に到着。本日は駅直結のフォルクローロ高畠に泊まる。駅に直結して温泉と宿がある,鉄道ファンならば1度は泊ってみたいとされる宿だ。

改札口の横にある温泉「太陽館」は,21時30分が最終の受付。

列車の到着が21時25分なので,念のため事前に宿に電話すると,「温泉には間に合いませんよ」という。

明日の朝はまた,温泉の営業開始に間に合わないので,せっかくフォルクローロ高畠に泊まりながら温泉に入れないとは悲しすぎる。

しかし,21時25分から30分まで,5分もあるではないか。チェックイン前に温泉に向かえば間に合うのではと再度尋ねると,「それではフロントで入浴券だけ受け取って,まず温泉に向かってください。それなら間に合います」とのことで,何とか温泉に入ることができた。

太陽館は営業終了間際にも関わらず,少年たちでいっぱいだった。何かの合宿でもあったのだろうか。

本日の宿。この繁忙期に2人部屋は申し訳ないと思っていたら,ちゃんと単身用の部屋が用意されていた。

次へ