北海観光節小さな旅行記知床32時間

知床の玄関口

知床の玄関口は厚床だと思う。ウトロというのはもともと小さな漁村で戦後もずっと後になってから開発された観光地だから,知床本来の拠点である羅臼に入ることを考えてみる。

陸路で羅臼に向かうことを考えた場合,もっとも早い時期に開削された交通機関は殖民軌道の根室線で,根室本線の厚床駅を起点に中標津を経て,大正15年には根室標津に達している。後に「準急らうす」や「急行くなしり」が走った標茶から計根別を経由して中標津に至る路線はその後の敷設であり,ましてや阿寒バスの釧羅線が走る国道272号は全面開通したのが昭和46年のことである。

そういうわけで,今回の旅行は厚床から知床を訪ねてみることにする。

バスセンター

旅の始まりはバスセンターから。バスセンターは地下鉄の大通駅とバスセンター駅を結ぶ長い地下通路のほぼ中間部にある。

札幌市内中心部のバスターミナルとしては,札幌駅前ターミナル,中央バス札幌ターミナルと,この市営バスセンターの3つがあるが,現在バスセンターから発車する都市間バスは根室行きのオーロラ号が唯一である。寂れきったバスセンターに北都交通の窓口が一つだけ営業していた。

札幌22:00発→厚床5:50着 北都交通・根室交通 オーロラ号

 

根室行きの夜行バスは18名の乗客を乗せて発車。

電話で予約したとき,窓側と通路側の希望を聞かれ,「窓側」と言ったが,厚床で降りる言うと,通路側にされた。3列シートのはずだが,通路が狭いので窓側だと隣の人に動いてもらわなければ降りられないという。どうも腑に落ちなかったが,バスに乗っても結局理由はわからなかった。

発車するとテープによる案内が始まり,厚床で降りる方は乗務員が起こしに参りますのでご了承くださいという親切な案内があった。

22時15分頃には早くも消灯。札幌を出て2時間ほどはやたらと左右に揺さぶられたが,どこを走っていたのであろうか。

2006年7月22日(土)

厚床到着。降客1名。到着少し前に熱いおしぼりが配られた。ありがたいサービスである。

広々とした駅前広場を持つ根室本線厚床駅。

 

駅弁「ほたて弁当」の製造元「田中屋」と,ほたて弁当を売っていた佐々木商店。標津線廃止後もほそぼそと作られ続け,幻の駅弁として知られていたが,つい最近販売を休止したようである。

 

旧標津線分岐駅。

 

駅舎は根室交通が管理しており,朝の6時前から窓口が開いていたので,チョロQを購入しておいた。

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