根室本線

落石 おちいし 無人駅
根室市落石東
大正9年11月10日開業
標高48m 82人
交換駅(対向式)
滝川より424.8キロ
別当賀より10.3キロ
2000.8.6下車

●別当賀→落石の車窓

根室本線屈指の絶景区間である。釧路から100kmを超え,乗客もいいかげんくたびれてくる。しかし落石に近づき,突如海が見えてくると,だれて椅子にうずもれてしまったような乗客も,次々に座りなおして姿勢を正す。落石岬が見えれば車内から歓声が上がり,カメラを構えてシャッターを切り始める。
ここまでの車窓を振り返ってみる。別当賀を出てはじめのうちは林間を行く。「防霧保安林」という看板が立っているから,線路の視界を確保するための鉄道林なのだろう。枯れ木が混じって幻想的な林間を走る。だんだん木の丈が低くなってきて,ねじ曲がった木が多くなる。かなり風が強いのだろう。ついには木もまったく生えない丘となり,三里浜や太平洋の絶景を見下ろす。北側には宗谷岬にも似た深く谷が切り込んだ丘陵が広がっている。落石岬の付け根を通過,落石港を見て落石駅到着。

●落石駅

霧に包まれることも多く,列車から降りると霧笛が聞こえる。落石といえば国指定天然記念物のサカイツツジ自生地,絶景の落石岬,無線局跡などで知られ,近年は「北の国から'95秘密」のロケ地ともなり,落石駅で下車する旅人もよく見かける。しかし,駅は落石岬からかなり東に離れており漁港も遠く,どこに行くにもかなり歩かなければならない。

●見どころ

□落石岬

駅から灯台まで6km。台地状の島でそれが陸と砂州でつながった陸繋島である。サカイツツジ(6月上旬) [国天]などの花で知られる。岬の突端には灯台があり,散策道を歩いていく。途中分岐があり灯台は左手の道なので間違わないように。岬までの道のりは坂の登り下りや無用な遠回りが多く疲れる。観光地化されておらず,ベンチもトイレも自動販売機も何もない。(2000.8.6訪問)

□落石無線局跡

落石灯台への道の途中にある。明治41年12月の開局で,ツェッペリン号やリンドバーグの北太平洋横断飛行の際に交信を行い,世界のオチイシとして名を馳せた。昭和38年に閉鎖され,コンクリート造の局舎と記念碑がある。(2000.8.6訪問)

□浜松海岸

落石岬とは反対方向に徒歩20分。砂浜が続き,太平洋にはエトピリカが生息する無人島のユルリ島・モユルリ島[道天]が浮かぶ。昆布干しも見られ,北海道らしい景色。

別当賀 北海道駅前観光案内所 昆布盛