北海観光節旅行記八割方TOKYO

旅立ち

2009年12月29日(火)

旭川6:48発→札幌8:26着 特急スーパーカムイ6号

朝は無理をせず3番列車で出発。指定席はがら空きで4名のみで札幌に到着した。

今日は東京を目指してひたすら列車で移動する。きっぷはこれだけ必要になる。今年も東京には仕事で数え切れないくらい行ったが,飛行機では仕事気分が抜けないので,あえて陸路移動にしたのである。時間もお金も余計にかかるが,こういう贅沢も1年に1度くらいはよいだろう。

札幌8:34発→函館11:54着 特急スーパー北斗6号

この列車は,さすがに満席だった。スーパー北斗の車内は弁当の臭いがこびりついており,相変わらず臭い。

函館到着。

函館駅前12:06発→宝来町12:13着 函館市電 2系統

函館では久しぶりに松風町のラーメン屋でがっちり定食でもいただこうかと思ったが,座ってばかりでは,あまりお腹も空かない。そこで,市電で軽めのカレーを食べてくることにした。

 

インドカレーの小いけにて,「大カレー」(730円)をいただく。函館に仕事があった頃,よく来ていた店だ。

十字街12:34発→函館駅前12:39着 函館市電 5系統

2年前の今頃は毎週のように,市電で元町と五稜郭の間を行ったり来たりしていたのを懐かしく思い出す。

函館12:53発→八戸15:52着 特急スーパー白鳥22号

昼時とあって,車内は弁当の臭いが充満していた。JR北海道の車両は気密性が高いのは良いが,換気をもっときちんと考えたほうがよいのではないかと思う。

朝から太宰治の「津軽」を読み始めて,津軽半島に差し掛かったところで,ちょうど読み終わった。

八戸16:06発→仙台17:25着 はやて22号

青森で特急つがるの接続をとり,八戸に約15分遅れで到着。どっと新幹線に乗り換える。新幹線はほぼ満席で発車したが,盛岡を過ぎると少し席に空きが出た。

仙台17:43→福島18:11着 MAXやまびこ126号

福島駅で途中下車するため,仙台で乗り換え。

 

福島到着。今年は福島市出身の作曲家,古関裕而の生誕100周年に当たる。

駅前広場には,古関裕而生誕100年記念モニュメントが設置されていた。

8時から20時まで毎正時に,代表曲が演奏される。

 

19時からの「船頭可愛や」の演奏まで30分ほど時間があったので,夕食を済ませておく。丸信ラーメンにて醤油ラーメン(550円)とライス(100円)を注文。メニューは極めてシンプルで値段を見て不安になったが,透明感のあるスープで,あまり体力を使っていないこの日の夕食としてはちょうど良いものだった。麺は自家製,餃子も一つずつ手作りしており,店先ではチャーシューをパックで小売りしていた。

さて,まもなく演奏が始まる。耳を澄ませて待っていると,行き交う人も時折足を止め,笑顔の古関先生に見入っていた。

19時になると,4つの鐘の音に続き,「船頭可愛や」のメロディーが1コーラス奏でられた。歌のないメロディーで聴くと,西洋調の十二平均律で民謡調の歌謡曲に挑戦したということがよくわかる。これを当時楽譜も読めなかったという音丸さんが実にうまく小節を回して歌っているのは感動的というよりほかない。

今年発売されたCD6枚組の古関裕而全集には,1曲目に音丸さんの「船頭可愛や」が収められたほか,三浦環,都はるみ歌唱のバージョンも収録された。

今年5月4日に亡くなられた高英男さんも,三浦環の最後の録音に立ち会った縁で「船頭可愛や」を持ち歌としていた。2003年の2月15日,私がゆうばり国際ファンタスティック映画祭に行ったその日,「吸血鬼ゴケミドロ」のゲストで高さんが夕張に来ていたことを後になって知った。すぐ近くにいたのに上映会場に足を運ばなかったことが悔やまれてならない。(映画祭のホームページに当時の様子が掲載されていた)

「高英男リサイタル(1975.5.6,帝国劇場)」プログラムより

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