日高本線

富川 ( とみかわ )

  • 所在地:沙流郡日高町富川南4丁目
  • 開業日:1913(大正2)年10月1日開業
  • 標高:9m
  • 配線:単線
  • 路程:苫小牧より43.6キロ 汐見より9.1キロ
  • 窓口:無人駅
  • 乗降客数:175人(2017-2018年平均),810人(1983年)
  • 最終乗降日:2013.2.19乗車

●汐見→富川の車窓

この区間は海が素晴らしい。様似まで海岸を行く日高本線だが,実際に乗ってみると海がよく見えるところは意外と少ない。

汐見から約3km進んだところが胆振と日高の国境で,いよいよ日高路に入る。約2km内陸側を走る国道には日胆国境というバス停があり,平坦ながらも分水嶺の果てという雰囲気があるが,海岸までくるとさすがに判然としない。もとは松前藩政下のユウフツとサルの場所境でフイハフと呼ばれていた。ここにはフイハップ浜臨時駅が1989年から5年間設けられ,地引網体験などの観光客が利用したという。

●富川駅

富川には松前藩のサル場所運上屋が置かれ,沙流川流域の経済的な中心地であった。日高町(2006年に旧日高町と門別町が合併して成立)の役場は日高門別に置かれているものの,富川に警察署,高校,図書館などがあり現在も実質的な町の中心になっている。駅近くにはダイエーがあったが,2015年にマックスバリュとなった。

もとは佐瑠太(サルフト)と称し,日高本線の前身の苫小牧軽便鉄道の終点だった。門別方面への延伸に先立ち,1922(大正11)年には沙流軌道が平取に延びている(1951(昭和26)年廃止)。駅舎は1989年に建て替えられたもの。

駅前バス停から平取,日高ターミナル方面への道南バスの便がある。旧国鉄富内線の幌毛志以遠へはこのバスの利用となる。また,札幌~浦河間の高速ペガサス号は,富川大町が駅最寄りのバス停となる。

●見どころ

□門別図書館郷土資料館

国道に出て沙流川を渡り,門別警察署の裏手。駅から2km。郷土資料館は図書館に併設しており見ごたえがある。

図書館間の前から平取町の義経神社まで,1878(明治11)年に来日し『日本奥地紀行』を著したイザベラ・バードが歩いた道が,フットパスとして整備されている。前半は競走馬の牧場の丘,後半は古い集落を歩くのどかな道なので,半日かけて歩いてみるのもいいだろう。

□道南バス日高富川高校線

2018年から平取町内を走行する区間で,アイヌ語による車内放送を実施している。実施する便は限られているので,事前に確認を。

沙流川流域は北海道の中でも特に豊かなアイヌ文化がはぐくまれてきた場所である。バスやフットパスで平取に至れば,二風谷のアイヌコタンや義経神社がある。平取からは道南バスと日高町営バスを乗り継いでJR石勝線占冠駅に出ることもできる。

▲汐見
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