根室本線

布部 ( ぬのべ )

  • 所在地:富良野市字布部市街地
  • 開業日:1927(昭和2)年12月26日開業
  • 標高:191m
  • 配線:1面1線
  • 路程:滝川より60.9キロ,富良野より6.3キロ
  • 窓口:無人駅
  • 乗降客数:7人(2013-2017年),130人(1983年)
  • 最終乗降日:2011.10.9乗車

●富良野→布部の車窓

機関区のある大きな駅だった富良野も,現在は跡地に病院などが建ち,往時の面影はない。市街地が途切れるころ,左に整然と並ぶ三角屋根のコンクリートブロック造住宅が見える。1960年代から70年代にかけて,道内で大量に供給された住宅で,北海道らしいデザインとして評価されている。

市街地を抜けると田園地帯となる。富良野市は道内の有数の農村であり,多種多様な野菜を生産しているのが特徴である。布礼別川を渡るまでがフラヌ原野の殖民区画で,その先は北海道大学の旧第8農場に入る。

北の峰の山すそには「地上12階建ての宇宙ステーションを連想するような」と紹介される新富良野プリンスホテルが見えている。富良野でUFOやニングル(小人)など不思議な事物の目撃情報が多い地域でもある。

布部駅の構内は幹線の小駅らしい雰囲気を残す。

●布部駅

テレビドラマ「北の国から」の記念すべき第1回は,黒板五郎と純,蛍がこの駅に降り立つところから始まった。駅前に「北の国から処に始まる」の倉本聰直筆の看板がある。無人駅となって人の賑わいがなくなったほかは,ロケが行われた1980年当時の雰囲気をよく残している。「北の国から」観光も本来ここを基点とすればムードも高まるだろうが,鉄道旅行者がここで降りても,この先の足がない(麓郷への路線バスは布部を経由しない)。

駅前の山は広大な東大演習林の一角で,昭和の初めに東京帝国大学によって麓郷への森林軌道が敷設され,布部駅は木材と農産物の集積として賑わった。今も駅の北1.5kmを流れる布部川沿いの道道は麓郷街道と呼ばれ,「北の国から」のロケ地・麓郷へのメイン道路として観光客が多く行き交う。

駅前から南には,なぜこんなところにと思うような旧商店街が続いているが,十勝への旧街道であり,戦中戦後には近くに石綿鉱山ができるなどして活況を呈した。

この駅で列車の行き違いは行わないが,分岐器や信号機は活きており,本線2本のほか側線も何本かある。

窓口跡には北の国からのロケ地であることを示す掲示物があった。
駅前で行われていた盆踊り

●見どころ

□北の国から処に始まるの看板

駅前。倉本聰直筆。

▲富良野
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