根室本線

山部 ( やまべ )

  • 所在地:富良野市字山部市街地
  • 開業日:1900(明治33)年12月2日開業
  • 標高:223m
  • 配線:2面2線(対向式)
  • 路程:滝川より66.7キロ,布部より5.8キロ
  • 窓口:無人駅
  • 乗降客数:78人(2013-2017年),606人(1983年)
  • 最終乗降日:2018.6.16下車

●布部→山部の車窓

右手には北の峰から芦別岳,夕張岳へと連なる山が素晴らしい。富良野線から見える優美な十勝岳連峰とは対照的に,切り立った山容である。

まわりは主に水田で,メロンのハウスも見える。列車からは気づきにくいが国道38号線沿いにはメロンの直売所が立ち並んでいる。左手に木もまばらな赤茶けた山が見える。これが石綿(アスベスト)鉱山で,もう廃鉱となって久しいが,発破の爆音とともに飛散してきた輝く粉塵が市民の語り草となっている。

空知川を渡って山部市街に入る。標高は200mを越えた。滝川から66.7kmで194.7m上っているので平均勾配は3パーミル。穏やかに見える空知川もけっこう急流だ。

石綿鉱山跡
空知川

●山部駅

根室本線は駅間距離が長いが,その昔はさらに駅の数が少なく,この周辺で開業当初からあった駅は富良野,山部,金山である。山部駅は旧山部町,旧東山村を駅勢圏とし,かつて急行列車も停車した。

山部地区はほぼ全域を北大第8農場と東大演習林で占められ,かつては「大学村」といわれていた。1915(大正4)年下富良野村(現在の富良野市)から分村,1965(昭和40)年に町制を施行した際には人口6,800を有した。しかし,1966(昭和41)年3月までに申請すれば人口3万以上で市制を施くことができるという新市町村建設促進法のもと,富良野町が積極的に合併運動を展開,山部町内では反対意見が強かったが,同年5月1日,富良野町と山部町が合併し富良野市が誕生した。

合併を機に,富良野農業高校が開校し,当駅は富良野方面からの通学生の利用があったが,同校は1999年に富良野市街に新設された緑峰高校に吸収されたので,駅の利用者は減った。徒歩圏内に芦別岳登山口があることから,古くより登山者の利用が多く,1988(昭和63)年ヨーロッパの山小屋風の駅舎に建て替えられた。

国道沿いには往年の雰囲気を残す立派な商店街が残っている。山部は農産物の集積地,東大演習林の事務所所在地であるとともに,かつては野沢石綿鉱山の企業城下町であり,また大本教北海別院の門前町としての一面も持っている。

長いホームと門型の信号機がかつての急行停車駅の趣きを残す構内
1911(明治44)年築の危険品庫。構内には1900(明治33)年築の詰所1号も残り,富良野市内最古の建築物とされている。
芦別岳を背にする駅舎。ロータリーのモニュメントは,1955(昭和30)年,当時の山部村が北海道で初めて「世界連邦平和都市宣言」を行ったことを記念するもの。

●見どころ

□富良野市博物館

国道を南へ約1.5km。旧富良野農業高校の校舎を活用した富良野市生涯学習センター内にある。旧校舎ならではの広々とした展示。

□太陽の里

駅の真西,3.5km。芦別岳の登山口にある自然豊かな公園。ふれあいの家で食事可能。

□東大樹木園

国道38号を帯広側に約4km。桜の名所で,樹海の間から芦別岳が見える。

▲布部
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